園子温監督作品とのコラボメニュー

全国に148店舗を展開している名古屋発の居酒屋「赤から」で、10月31日まで提供している「地獄鍋」(1人前1,249円・2人前以上より提供可)をご存知だろうか。9月28日から全国公開している園子温監督の映画「地獄でなぜ悪い」とのコラボ企画メニューだそうで、辛さがなんでも"地獄レベル"なのだとか。辛いもの大好きな筆者と、辛さ耐性普通レベルの編集者の2名で赤から史上最高レベルの辛さに挑戦してみた。

赤からの看板メニュー「赤から鍋」は、辛いもの好きを中心に大人気の辛味鍋。普段はスープの辛さが0番「まったく辛くない」から10番「悲しくないのに涙が出る」までの11段階を用意している。初心者のお客は3番を注文することが多く、辛いもの好きなリピーターには5番や6番が人気なのだという。

「地獄鍋1丁目」。1丁目でも生唐辛子の多さに引く

そして今回のコラボということで、11番以上の辛さの「地獄鍋」が開発された。しかも「地獄鍋」の中にも1丁目から5丁目といった5段階を用意している。どんな辛さかと不安になりながら、1丁目と5丁目を注文。食べ比べてみることにした。

「地獄鍋5丁目」。唐辛子粉の量が半端ない!

「地獄鍋をご注文される方のほとんどが5丁目なんですよ。地獄へようこそ~。フフフ……」と不敵な笑みを浮かべながら卓上コンロに火してくれた店長さん。どんな辛さなんだろうと不安な私たち挑戦者2名は「ヘヘヘ……」と力なく笑い返す。そんな私たちの心配をよそに、目の前の鍋が煮えてきた。唐辛子や肉の香りに温かく包まれると、「今年も鍋の季節がやってきたのだなぁ~」と幸せを実感する。おいしい香りに刺激され、先ほどまでの不安は吹き飛び、次第に食欲全快! テンションも上がってきた。

生唐辛子の多さに引きます

まずは1丁目から試食。赤味噌やコチュジャン使用の秘伝のタレを使ったスープは、唐辛子の香りがとても豊か。牛ホルモン・豚バラ・鶏つくねといった肉の旨味がスープに絶妙に溶け出していて、2人とも辛いけれどおいしくいただいた。牛ホルモンを噛むと甘い肉汁がじゅわ~と出てきて、それが唐辛子の旨味と相性抜群なのだ。

真っ赤なスープがグツグツと激しく対流している様子はまさに地獄のようで圧巻。5丁目は軽くすくってみても唐辛子がたっぷり。これは食べて平気なのか!?

締めは「チーズリゾット」。チーズのおかげで辛さがマイルドになっていく

次に問題の5丁目。担当編集は口に入れる前からせき込んでいる。辛味成分が喉を刺激したのだろう。それでもめげずに口に入れた瞬間、「かっら!!! 」と絶叫。「汗腺開きまくり」と騒ぎながらハンカチで顔を拭き拭きしている。辛いもの好きの筆者は、「うぉー! これは辛い、でも旨い! 」と感動。なぜだか戦闘モードに入ってきて、「まだまだおかわりいけるでぇ~」とえせ関西弁をぶっ放しながらどんどん食べ進めていった。

1丁目は唐辛子と肉の旨味を両方味わえるレベルだが、5丁目になると唐辛子の旨味と辛さが断然増す。こちらは本当に辛いので、実際に食べるときは様子を見ながらゆっくり食べ進めた方がよいだろう。大人数で味わう場合は、いろんな辛さの鍋を注文してワイワイ食べ比べするのも楽しそうだ。

そして10分後……。

ひぃひぃ言いながらちびちび食べていた担当編集も、がつがつ食べていた筆者も共に汗だく。しかし、なんだろうこの爽快感。例えるならサウナ後のような……。最後は「チーズリゾット」(1人前367円)とデザートで"地獄"からの帰還を果たす。リゾットはチーズのおかげで辛味がまろやかになる。今回いただいたデザートの「いも娘」(399円)は、熱いさつまいもにバニラアイスクリームをのせたもので、甘みとアイスの冷たさで辛さがさらに抑えられていく。

辛いものを食べて血流が良くなったせいか、肩や頭のあたりがスッキリして体が軽い。「ダイエットやデトックスの効果もあるのかも」なんて盛り上がりながら、店を後にした。なお、地獄鍋は好評につき、食材などの手配が整い次第、一部の直営店で再導入する予定とのことだ。