アメリカの法人では、日本の会社で言う「役員」のことを「CEO」や「COO」といった名称で呼んでいます。そこで今回は、それら呼び名がどういった役割を持っているのかをご紹介しましょう。

■格付けではCEOがCOOよりも上

・CEO(Chief Executive Officer)…「最高経営責任者」のこと。会社で全ての業務執行を統括する役員。「統括業務執行役員」と呼ばれることもある。日本では取締役会長や代表取締役社長にあたる人が立場として近い。

・COO(Chief Operations Officer)…「最高執行責任者」のこと。会社で事業運営に関する業務執行を統括する役員。CEOの下で営業活動などを統括する。会長がCEOの場合は社長がCOO、社長がCEOの場合は副社長がCOOといった立場になることが多い。

・CAO(Chief Administrative Officer)…「最高総務責任者」のこと。会社で総務に関する業務執行を統括する役員。保管が義務付けられている書類の作成や管理を行うため、弁護士や公認会計士の資格を持つ人も多い。

・CFO(Chief Financial Officer)……「最高財務責任者」のこと。会社で財務に関する業務執行を統括する役員。ほとんどの人が会計士の資格を持つ。

・CLO(Chief Legal Officer)…「最高法務責任者」のこと。会社で法務に関する業務執行を統括する役員。弁護士の資格を持つ人が多い。

ほかにもCTO(最高技術責任者)、CIO(最高情報責任者)、CRO(最高リスク管理責任者)などがありますが、日本の会社と同じように必ず選任しなければいけないものもあればそうでないものもあり、兼任されることも少なくありません。日本では専務、常務という名称がよく使われますが、何の仕事をしているかはその会社によって違います。しかしアメリカでは「最高○○責任者」という名称で呼ばれることで、その役割がすぐにわかるようになっているのです。

■日本で有名なCEOやCOO

スティーブ・ジョブズは生前、アップル社のCEOを務めていたことでも有名です。病気がわかってからはティム・クックCOOに日常業務を任せ、大きな戦略的決定にだけ関与。退任後は会長職に就き、ティム・クックCOOがCEOに就任しています。

そのほかマーク・ザッカーバーグはFacebookのCEO、ラリー・ペイジはGoogleのCEOを務めています。CEOのほとんどが男性であるなか、マリッサ・メイヤーはGoogleの顔とも言える女性エンジニアで、2012年にYahoo!のCEOに就任しています。CEOやCOOを知ることで、その会社の方向性が見えてくることでしょう。