ロシアの女性デュオ・t.A.T.u.(タトゥー)が7年ぶりに来日し17日、ものまねタレントのコージー冨田、歌手の内田裕也らと共に、スニッカーズの新CM発表会に出席した。イベントでは、ヒット曲「All The Things She Said」も生歌で披露した。

7年ぶりに来日したt.A.T.u.(右:ユーリャ・ヴォルコヴァ 左:リェーナ・カーチナ)

タトゥーは、ロシア出身のユーリャ・ヴォルコヴァとリェーナ・カーチナの2人組歌手で、1999年に結成された。同性愛カップルというイメージで売り出し、過激なパフォーマンスやスキャンダルで人気を集め、「All The Things She Said」が大ヒット。2003年に来日し、タモリが司会を務めるテレビ朝日系の音楽番組『ミュージックステーション』に出演したものの、歌唱直前に行方をくらまし、前代未聞のドタキャン騒動を巻き起こした。

その2人が今回来日したのは、スニッカーズの新CMキャラクターに起用されたため。前作に出演していた内田も出席し、タモリに扮したコージー冨田が司会を務めたことから、"Mステ"さながらの雰囲気でイベントは進行した。イベント後の囲み取材でも、この"ドタキャン"に話題が集中。報道陣からの「どうしてドタキャンを?」という直球質問に、ユーリャは「でも、今日はちゃんと出てきましたよ!」と冗談を交え、「そういうネガティブなことは、できれば思い出してほしくないです。前を向いて良いことだけを話しましょう。前進しなければならないんです」と笑顔で語った。

一方のリェーナは、「私たちはあれはよくないことだと分かっていましたけど、出演しなかったのは私たちが決めたことではないんです」と釈明。「あれから何度も謝罪をしました。『ゴメンナサイ』という曲も書いたほど。ですから、今日はこうして日本の皆さまの前に立ててうれしいです」と貴重な機会に感謝すると、ユーリャはあらためて「悪いことはみんなで早く忘れて、良いことだけを考えるように心がけましょう」。リェーナも、「悪いことを忘れてくれることを心から願っています」と切実な思いを語った。

2人に会うまではあまり良い印象を抱いていなかったという内田は、「事情はよく知らないけど、きちっとやってたんならそんなに謝ることないよ」とフォロー。「何年かたってもこれだけの方が来て、かえってよかったんじゃない?」と温かい言葉をかけた。加えて、「タモリくん、友だちなんだよ」と明かし、「俺もこの世界ではちょっとだけパワーがあるから言っとくね」とコメント。「こうやって一緒に映って、全国の皆さんに見てもらえれば、今回はきっと好印象を持ってくれると思います」と太鼓判を押していた。

あの騒動から10年がたち、ユーリャは2人の子どもを授かった。「娘は9歳で息子は6歳」と語り、結婚はしていないが内縁の夫がいるという。一方、リェーナもミュージシャンの男性と結婚していることを報告した。Mステの再出演にも興味を示し、「一緒に行きましょう! トリオになりますね」と早速内田を頼りにしていた。今後、日本での活動については、「もう1度、コンサートを引っさげて、来日したいです」と意欲を見せたタトゥー。しかし、日本のブームには疎いようで、AKB48について「見たことも聞いたこともありません。私たちのような曲を歌うのですか?」と報道陣に逆質問していた。

「また、ドタキャンか!?」という展開も予想されたが、この日のイベントは定刻通りにはじまり、何のトラブルもなく時間内に終了。司会を務めたコージー冨田もタモリの声マネで「今日は来てくれました」と安堵の表情を浮かべ、最後は「それではいったんCMで~す」と締めくくった。