伊勢湾と太平洋に面した長い海外線をもつ三重県。伊勢海老の産地であり、うにやあわびをとる海女漁や、真珠の養殖地としても有名です。西側の地域では柑橘の栽培も盛んで、観光地には「伊勢神宮」や「鈴鹿サーキット」があります。

この三重県にライバルがいるとすればどの都道府県なのでしょうか。本記事ではマイナビニュース会員を対象にアンケート調査を行い、結果をランキングにまとめました。三重県に対するご自身のイメージと比べてみてください。

  • 三重県のライバルはどこ?

    三重県のライバルはどこ?

三重県にライバルの都道府県はあると思う?

三重県にライバルの都道府県があると思うかを聞いたところ、下記のような回答を得ました。

ある…61.9%
ない…38.1%

三重県のライバル県ランキング

三重県のライバルはどの都道府県だと思うか、上の質問で「ある」と答えた方に聞きました。得票数の多かった順にランキングにしてご紹介します。

1位 和歌山県(23.8%)
2位 岐阜県(17.1%)
3位 愛知県(10.4%)
4位 滋賀県(8.8%)
5位 兵庫県(4.7%)
6位 奈良県(4.1%)
7位 島根県(3.1%)
7位 愛媛県(3.1%)
9位 静岡県(2.6%)
10位 京都府(2.1%)

ここからはランクインした都道府県の概要と、アンケートに寄せられた「ライバルだと思う理由」などをご紹介します。

1位 和歌山県(23.8%)

  • 和歌山県

    和歌山県

三重県のライバル県ランキング、1位は「和歌山県」でした。三重県に隣接する和歌山県は海に面した温暖な気候から、西日本きっての果樹大国。農業産出額の約7割がみかん、梅、柿などで、この3種類は収穫量も全国1位となっています。漁業も盛んで、伊勢海老がよくとれることでも知られています。

和歌山県は県内の多くの部分を紀伊山地などの山岳地が占め、平地がほとんどないことが特徴。三重県との県境に近い場所にはいずれも世界遺産の「熊野本宮大社」、「熊野速玉大社」、「熊野那智大社」があり、これらをつなぐ熊野古道は緑豊かで神秘的な雰囲気が漂っています。また、パンダで知られる「アドベンチャーワールド」も人気です。

ライバルだと思う理由

「どちらの県も太平洋に面し、観光が収入源になっているから」(57歳男性)
「伊勢神宮と熊野古道をセットにして観光する人も多いと思うので」(61歳男性)
「同じ紀伊半島にある県同士、文化的に似ているところが多いと思う」(54歳男性)
「神社仏閣が多いところが似ているので」(55歳男性)

2位 岐阜県(17.1%)

2位は「岐阜県」でした。三重県とは、南部の地域で接している岐阜県。海に面した三重県と異なり海のない内陸県ですが、「木曽三川(きそさんせん)」と呼ばれる木曽川、長良川、揖斐川が流れています。なかでも岐阜市の中央を流れる長良川は清流として知られ、鮎漁や伝統芸能の「鵜飼い」などが有名。

岐阜市の西側には、天下分け目の合戦が繰り広げられた「関ケ原」が広がっています。一方、岐阜県の北部にはかつて養蚕業が盛んだった白川郷も。三角屋根が特徴的な合掌造りの集落は世界遺産に登録されています。朝市や温泉で知られる飛騨高山エリアも人気です。岐阜グルメの定番は、飛騨牛、高山ラーメン、朴葉(ほおば)味噌焼きなど。

ライバルだと思う理由

「外国人が訪れる観光地としてライバル関係にありそう。岐阜県は白川郷、飛騨牛、鮎料理、三重県は伊勢神宮、松坂牛、伊勢海老」(62歳男性)
「三重県よりも岐阜県のほうが見どころが多い気がするので」(45歳男性)
「どちらの県も愛知県を常に意識している点が似ていると思う」(53歳男性)

3位 愛知県(10.4%)

3位は「愛知県」でした。三重県の東側に位置する愛知県。人口は全国で4番目に多く、県庁所在地の名古屋は東海地方最大の経済都市となっています。主な産業は自動車や自動車部品などの製造業。トヨタ自動車の企業城下町となっています。

一方、愛知県は産出額が全国8位という農業県でもあります。キャベツやトマト、ブロッコリー、いちごなどが主な品種で、バラや菊などの花き栽培も全国1位となっています。ブランド豚の「みかわポーク」、地鶏の王様「名古屋コーチン」の産地としても有名。「八丁味噌」に代表される豆味噌の文化も愛知県ならでは。

ライバルだと思う理由

「東海地方の中心は名古屋なので、どうしても三重県の印象が薄れがちだと思うので」(39歳男性)
「天むすの発祥地としてライバル視しているので」(48歳男性)
「三重県には松阪牛などの有名な食べ物があり、愛知県の名古屋めしも有名だから」(58歳女性)

4位 滋賀県(8.8%)

4位は「滋賀県」でした。三重県の北部に位置する滋賀県。日本最大の面積がある琵琶湖が、県土の約6割を占めています。豊かな水は飲み水や農業用水、また工場でのものづくりなどに活用されています。産業では繊維や医薬品、プラスチック製品などの製造業が盛んです。

滋賀県はかつて「近江」と呼ばれていたことから、「近江牛」や「近江野菜」などが特産品となっています。それらを使った料理のほか、琵琶湖の資源を生かした鮎料理などが人気。観光スポットでは最澄が建立したとされる「延暦寺」や、現存天守の「彦根城」などが定番です。

ライバルだと思う理由

「三重県の伊賀と滋賀県の甲賀は、忍者で有名なので」(46歳男性)
「松阪牛と近江牛というブランド肉があり、のどかな雰囲気が似ていると思うので」(45歳男性)
「どちらもあまり目立たないようで、日本の重要な役割を果たしている県だと思うので」(57歳男性)

5位 兵庫県(4.7%)

三重県のライバル県ランキング、5位は「兵庫県」でした。南は瀬戸内海と太平洋、北は日本海に面し、多様な気候や風土が見られる兵庫県。県内は大きく5つのエリアに分けられ、国際貿易港・神戸港のある摂津、盆地が特徴の丹波、瀬戸内海に浮かぶ淡路など、地域ごとに個性はさまざまです。

兵庫県の主な特産品は、清酒、手延べそうめん、靴、線香などで、これらは全国でトップシェアを誇ります。観光地では、国宝で白い城壁が神秘的な「姫路城」、本州と淡路島をつなぐ世界最大級のつり橋「明石海峡大橋」、北部の情緒ある「城崎温泉」などが代表的です。

ライバルだと思う理由

「牛肉のライバルとして。松阪牛と神戸牛」(42歳男性)

6位 奈良県(4.1%)

6位は「奈良県」でした。三重県の西側に隣接する、奈良県。実は三重県との県境には和歌山県の一部が飛び地として2か所に存在しており、全国的にもめずらしい様相となっています。南部は紀伊山地が広がっていて、桜の名所「吉野山」があるなど自然豊か。

奈良県の北部にはかつての日本の都・平城京が置かれていたことから、世界最古の木造建築とされる「法隆寺」、高さ約15メートルの大仏が安置される「東大寺」、「唐招提寺」、「薬師寺」などが残されていて人気の観光スポットに。奈良県のグルメでは、柿を使った最中などの菓子や、吉野葛を使った和菓子、柿の葉寿司などが有名です。

ライバルだと思う理由

「日本の歴史上、どちらも欠かせない場だから」(62歳女性)
「隣り合っていて、寺社が多い点が似ているから」(21歳男性)

7位 島根県(3.1%)

7位は「島根県」でした。島根県は、日本古来の神話の舞台とされてきました。なかでも大国主命(おおくにぬしのみこと)をまつる「出雲大社」が有名です。縁結びの神としても知られ、旧暦10月には日本各地の神々が出雲大社に集まるとされています。そのため一般的には「神無月(かんなづき)」ですが、島根県では「神在月(かみありづき)」となります。

その出雲大社のある出雲地方には、しじみの名産地である「宍道湖」や「神西湖」も。しじみ汁や佃煮のほか、しじみラーメンを楽しむこともできます。島根県の面する日本海はいかやずわいがに、のどぐろなども揚がり、豊かな海の幸が楽しめることも魅力。

ライバルだと思う理由

「出雲大社と伊勢神宮。それぞれの県に有名な神社があるから」(32歳女性)

7位 愛媛県(3.1%)

7位には「愛媛県」も入りました。瀬戸内しまなみ海道で、広島県尾道市とつながる愛媛県。四国側の玄関口である今治市は、タオルの生産量日本一で知られています。瀬戸内の温暖な気候で、海沿いの段々畑では柑橘類の栽培が盛ん。なかでもいよかんは全国の約8割以上を愛媛産が占めています。

九州寄りの宇和海はリアス海岸が続き、多種多様な魚が水揚げされます。小魚を骨ごとすり下ろして作るじゃこ天や、鯛を丸ごと炊き込む鯛めしは愛媛県の代表的な郷土料理です。観光地では、長い歴史をもつ道後温泉や、西日本一の高さを誇り、信仰を集める石鎚山などが人気。

ライバルだと思う理由

「どちらの県も漁業が盛んで、柑橘類の生産も盛んだから」(74歳男性)

9位 静岡県(2.6%)

9位は「静岡県」でした。三重県と同じように、長い海岸線をもつ静岡県。駿河湾には焼津港や清水港など日本有数の漁獲量を誇る港があり、さくらえびや金目鯛、伊勢海老の産地としても知られています。浜名湖ではうなぎの養殖も盛んです。

静岡県といえば、世界遺産の富士山を思い浮かべる人も多いでしょう。4つある登山ルートのうち、3つが静岡県側にあります。「三保松原」、「大淵笹場(おおぶちささば)」、「朝霧高原」などは、富士山の絶景が見られる人気スポット。

ライバルだと思う理由

「三重県も静岡県も、海の幸が豊かなところが似ているから」(53歳男性)
「自動車レース用サーキットがどちらにもあり、競合しているから」(47歳男性)

10位 京都府(2.1%)

10位は「京都府」でした。三重県とは南部で少しだけ接している、京都府。1000年以上都として栄えた、日本を代表する古都です。世界遺産に登録された建物が17あり、2023年の観光客は約7500万人と過去最高を記録。海外からも多くの観光客が押し寄せます。

三重県が太平洋に面しているのに対し、京都が面しているのは日本海。いか、かれい、ずわいがになどが水揚げされ、かきの養殖も行われています。その北部には日本三景のひとつ「天橋立」や「宇川温泉」などの人気スポットもあります。

ライバルだと思う理由

「神社やお寺がある雰囲気が似ているから」(67歳女性)

三重県のライバル県は、パワースポットやブランド肉がある県⁉

三重県のライバル県ランキングをご紹介しました。1位「和歌山県」、2位「岐阜県」、3位「愛知県」という結果になりました。ご自身のイメージと比べていかがでしたか。

ランクインした県の多くは三重県の近隣県でしたが、「伊勢神宮」に対するパワースポットがある県として和歌山県や島根県を挙げる声、「松阪牛」に対するブランド肉がある県として滋賀県や岐阜県、兵庫県を挙げる声が届くなど、単純に「近いから」という理由以外にもライバルになり得る要素はあるようです。

そのほか、三重県では漁業や柑橘の栽培が盛んだったり、寺社が多かったりすることから、それに関わる県を挙げる声、また東海地方の県のなかで愛知県の次の座を狙うライバルとして、岐阜県を挙げる声もありました。

ライバル視するポイントは人によって大きく違うようです。あなたも、出身地や今住んでいる地域にライバルがいるとすればどの都道府県なのか、考えてみませんか。

調査時期: 2025年11月5日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計312人(男性: 233人、女性: 79人)
調査方法: インターネットログイン式アンケート