「独立行政法人」は名称としてはよく聞くけれど、イマイチ何を意味しているのかわからないという方も多いはず。今回はその意味や内容についてまとめてみましたので、ぜひ覚えておいてください。

■独立行政法人とは何か?

独立行政法人は行政機関から独立した法人組織で、行政の一端を担いながら、国民の生活の安定や社会経済の発展に役立つ仕事をしています。日本では2013年4月の段階で合計101の法人があり、最近では民主党政権による事業仕分けで予算の削減などが行われ注目を集めました。独立していても主務官庁により、中長期計画策定や業務運営チェックが行われています。

■おもな独立行政法人と業務内容

・消費者庁所管「国民生活センター」…一般消費者からの相談受付・危害情報の収集、メーカーへの改善要請など。

・外務省所管「国際協力機構(JICA)」…開発途上地域などへの経済及び社会発展の寄与、国際協力の促進など。

・財務省所管「造幣局」…硬貨や金属工芸品などの製造、貴金属製品の品質証明など。ちなみに紙幣や切手の印刷を行っているのは「国立印刷局」。

・文部科学省所管「宇宙航空研究開発機構(JAXA)」…日本の航空宇宙開発政策(研究・開発)などを担い、独立行政法人の組織で最大規模を誇る。

・厚生労働省所管「年金・健康保険福祉施設整理機構」……年金福祉施設などの廃止や売却など。

・国土交通省所管「住宅金融支援機構」……長期固定金利による、住宅ローンのための資金支援など。フラット35が有名。

■収入や給料はどこからくる?

業務内容は法人によって様々ですが、基本的な財源は国からとなります。ただし国の経費を減らすために独立させているわけですから、それ以外にかかる費用に関しては法人ごとに独自で資金調達を行っています。例えばJAXAは宇宙航空研究開発のために寄附金を募っており、その使用実績をサイト上で公開しています。住宅金融支援機構では住宅ローン債権を証券化することで、投資してもらう仕組みをとっています。

実際にはその法人だけで業務を行っているところは少なく、業務委託・提携をしたり実質的な管理運営を別の団体が行っていたりすることが多くなっています。その場合は個人や企業の財産が財源となります。