季節の変わり目は抜け毛に要注意

女性に多いのが「びまん性脱毛症」。髪が細くなったり、分け目のボリュームが減ったり、頭髪全体が薄くなるのが特徴だ。これには、加齢によるホルモンバランスの乱れや、不規則な生活、ストレスが関与していると考えられている。

女性はサイドの薄さに気づきにくい!?

さらに、閉経後に起きやすいのが、女性男性型脱毛と呼ばれる「FAGA(Female Androgenetic Alopecia)」。つまり、女性にもM字型の額になる傾向があるのだ。これは、女性の身体にも微量にある「男性ホルモン」が関係する。閉経後にはホルモンバランスが変化することで、相対的に男性ホルモンは優位になり、抜け毛を引き起こしやすくなる。

しかし最近では、閉経前の30代からFAGA症状が現れる人が多くなってきた。さらに、側頭部まで薄くなるという、新たな症例も最新の研究で確認されている。女性の側頭部は長い髪で覆われているヘアスタイルが多いので、自覚のない人がほとんど。サイドアップのヘアスタイルにしようとして、側頭部の薄毛を発見!ということもありえるのだ。

ストレスで男性のような抜け毛に

現代女性は男性と同等、又は男性以上にハードに働く人が増えている。睡眠不足や栄養バランスの乱れによって女性ホルモンの分泌が低下し、相対的に男性ホルモンが優位になることも。それが早期FAGAの一因と考えられている。また、仕事や人間関係でのストレスで生理不順になったり、過度なダイエットで無月経になったりすることもある。これも、FAGAを早めていると考えられている。

出産後の抜け毛をひどくしてしまう!?

女性は男性と異なり、部分的に薄くなるというよりも、髪全体が薄くなる「びまん性脱毛症」という症状がある。これ以外にも、ポニーテールやアップスタイルなど、髪を引っぱることで発症する「牽引性(けんいんせい)脱毛症」や、出産後、一気に髪が抜ける「分娩後脱毛症」などもある。そこにFAGAが加わると更に抜け毛が増え、地肌の透け感が著しくなってしまうかもしれない。

抜け毛予防のために自分でできること8つ

では、どうすれば女性の抜け毛対策ができるのか。

抜けにくい髪をつくるシャンプーの方法
シャンプー前は、お湯でしっかりプレシャンプー(予洗い)するようにする。それだけでも、かなりの汚れは落とせる。すると、シャンプーの泡立ちがよくなるため、頭皮の汚れをしっかり落とすことができる。ヘアサロンの美容師たちは、お湯でのプレシャンプーを1分間はしているという。家でプレシャンプーする時はシャワーヘッドを手で持ち、いろんな角度から頭皮と髪にお湯をかけてみるといいだろう。

シャンプー剤は、一度手にとって水を加えて軽く泡立てる。耳の後ろと襟足は洗い残ししやすい部位なので、意識して洗うことが大事。トリートメントは、頭皮につけてもいいタイプ以外は髪だけになじませるようにする。

耳の後ろと襟足はすすぎ残しもしやすい場所なので、十分にお湯をかけて流すようにしよう。洗い残し・すすぎ残しがあると、頭皮に湿疹(しっしん)ができやすくなる。湿疹は炎症なので、抜け毛の原因になってしまうこともある。

ドライヤーをしないと菌が繁殖するかも!?
髪と頭皮は、ドライヤーで手早く乾かすようにしよう。濡(ぬ)れたままだと頭皮の常在細菌が余計に繁殖してしまい、抜け毛の原因になる炎症が頭皮に起きてしまうのだ。夏の暑い時期は、自然乾燥をする人が多い。しかし、それが秋の抜け毛の一因になっているという。加えて、ドライヤーの最後に冷風をかけると、キューティクルが引き締まってツヤ髪になる。

寝る直前のTVやPCをやめて寝つき改善
質のいい睡眠は、髪の成長を促す「成長ホルモン」など、多くのホルモンを分泌させる。そのためにも、日付が変わる前には就寝したい。また、寝る直前までTVやパソコンを見ないようにしよう。TVやパソコンからの光は、自然な眠りを誘う作用がある睡眠ホルモンの「メラトニン」の分泌を妨げてしまう。寝室は暗くして、フットライトなども点(つ)けない方がオススメだ。

美髪をつくるのに欠かせないのは「タンパク質」
忙しい生活の中、手っ取り早く栄養補給しようとすると、ついついパンやおにぎりなど炭水化物に偏りがちだ。そうなると、タンパク質や野菜が不足してしまう。髪はケラチンというタンパク質でできているので、美しい髪をつくるにはタンパク質は必須である。さらに、タンパク質には様々なホルモン分泌を促す作用もある。パンやおにぎりだけでなく、タンパク質のおかずも併せて取るようにしよう。

タンパク質と亜鉛を多く含む食品

亜鉛とビタミンB群で、健康な髪を育もう
食事で取ったタンパク質を髪の毛に変えるには、ミネラルの一種である亜鉛が必要となる。亜鉛はビタミンCと一緒に取ると吸収が高まる。亜鉛は食べ物だけでなく、サプリメントで取ると更に吸収がアップする。

また、健やかな頭皮を保つためには、ビタミンB群も大切。ビタミンB群には、脳や神経、皮膚、粘膜を保護する働きもある。B1の多い食品は、豚ヒレ肉、生ハム、大豆など。B2の多い食品は、豚レバー、牛レバー、鶏レバー、焼のり、抹茶など。B6の多い食品は、ニンニク、カツオ、マグロなど。B12の多い食品は、シジミ、赤貝、スジコなどがある。

ダイエットで毛が抜ける!?
手っ取り早く痩せるために、摂食制限をする人も多いだろう。しかし、体重や体質にもよるが、数パーセント体重が減るだけで抜け毛が増えたり、無月経になったりしてしまうこともある。ダイエットをする際は「運動で健康的に!」を心がけたい。

日焼けは頭皮の大敵! 外出時には頭皮専用の日焼け止めを
アウトドアで行動する日は、頭皮専用の日焼け止めを使うのがオススメだ。身体の中でも、頭皮は紫外線が直撃する部位。日焼けは頭皮に炎症を起こすので、抜け毛を増やしてしまう。

季節の変わり目は抜け毛が増える?
1日の正常範囲内の抜け毛は80~100本くらい。しかし、春先や秋口といった季節の変わり目には、200本前後に増える場合もある。人間も冬毛と夏毛に入れ換わるからなのだが、季節の変わり目に抜け毛が増えても、あまり神経質にならないようにしよう。それがストレスになって血流が悪くなると、更に抜け毛を招きかねない。まずは様子を見て、抜け毛の増加が2~3カ月も続くようなら、頭髪の専門医に診てもらうといいだろう。

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