強いストレスは直接的に抜け毛へつながる?

年を重ねるとともに、頭髪に関する悩みを抱える人も多いのではないでしょうか。薄毛を防ぐための方法を調べてみても、本当に効果があるのか疑問ですよね。

そこで、薄毛治療を専門とする「銀座HSクリニック」の院長・北嶋渉先生に、髪の毛にまつわるウワサの真相について解説していただきました。

海藻類を食べると髪の毛が増える――×
ワカメなどの海藻類には、ミネラルが含まれています。これは髪を形成する成分のひとつではありますが、効果を実感できるほどの量は含まれていません。他にも、ミカンの皮や緑茶なども髪に効果のある食材といわれていますが、増毛効果を期待できるものではないですね。

残念ながら、「これを食べれば薄毛に効く!」といえる食材は存在しません。ひとつの食材にこだわるよりも、全身の健康バランスを考えた食生活を送ることが重要です。

睡眠不足は薄毛の原因になる――○
睡眠不足は身体に様々なトラブルを引き起こしますが、薄毛の一因にもなります。なぜなら、就寝中に毛髪の成長に大きく作用する成長ホルモンが分泌されるからです。毎日6時間は睡眠時間を確保していただきたいですね。

成長ホルモンは20歳をピークに減少します。そのため、薄毛治療にこられた中高年の方には、成長ホルモン分泌促進剤の併用もおすすめしています。

帽子をかぶり続けると薄毛になる――△
帽子をかぶって汗をかく程度であれば、それほど問題ありません。しかし、赤みやかゆみなど、頭皮に異常が生じると、抜け毛の原因になります。また、蒸れることによって菌が繁殖すると、抜け毛の原因になるので注意してください。

ストレスが強いと毛が抜ける――×
薄毛はストレスがきっかけになることはありますが、強いストレスを受けたからといって必ず毛が抜けるわけではありません。阪神・淡路大震災の時にも、これが原因で薄毛になったという人は増加しませんでした。ただ、ストレスは様々な病気の原因になるので、上手に発散した方がいいですね。

貧血になると抜け毛が増える――○
貧血だけでなく、急激なダイエットや大病を患った時など、身体のバランスを崩すと抜け毛が増える傾向にあります。ただし、症状が緩和されると薄毛も解消されるので、まずは健康な状態を取り戻すことが重要です。

体毛が濃い人は薄毛になりやすい――△
これについては、因果関係を検証中です。しかし、体毛を濃くする男性ホルモンが多いからといって、薄毛が進行するとは限りません。


薄毛ケアには、専門医の治療やアドバイスだけでなく、規則正しい生活も重要なことです。薄毛が気になる方は、生活習慣を見直してはいかがでしょうか。