かつて中央線神田~御茶ノ水間に存在した旧万世橋駅の遺構を生かし、JR東日本、JR東日本ステーションリテイリング、東日本鉄道文化財団が再開発した商業施設「マーチエキュート神田万世橋」が14日、グランドオープンを迎えた。当日は記念式典が行われたほか、来場者プレゼントなどのオープニングイベントも開業を盛り上げた。

旧万世橋駅開業時に作られた「1912階段」への入口前で、来賓や代表者によるテープカットが行われた

「マーチエキュート神田万世橋」は全11ショップからなる商業施設。1912(明治45)年の開業から31年間利用された旧万世橋駅の階段やプラットホームといった遺構が「再生」され、施設と一体化しているのが特徴だ。オープン当日は、開店前から多くの人が入場待ちの列を作る中、代表者挨拶やテープカットなどのオープニングセレモニーが行われた。

同施設の運営を担うJR東日本ステーションリテイリングの代表取締役社長、三井剛氏は挨拶にて、開発コンセプトは「万世橋駅サロン」であると説明。「かつて、万世橋駅が中央線のターミナル、つまり交通の要衝として繁栄した時代に思いを馳せ、人々や文化が行き交う場所を再生したい。往時のサロンのように、文化、情報、知識、技術が集積され、また発信していく場にしたい」と語った。

セレモニーを終え、同施設がオープンするとすぐに飲食店が満席になるなど、早速にぎわいを見せていた。とくに旧万世橋駅の遺構である「1912階段」「1935階段」や、ホームを整備した展望デッキは、入場制限がかかるほどの人気だった。

明治時代に作られた煉瓦アーチの高架橋を生かし、再開発された

オープン直後から展望デッキへの入場待ちの列が

「マーチエキュート神田万世橋」の営業時間は、物販が11:00~21:00(日曜・祝日は20:00まで)、飲食・カフェが11:00~23:00(日曜・祝日は21:00まで)。遺構階段と展望デッキは飲食・カフェ営業時間より30分早く終了となる。