「営業職」はコミュニケーション能力が重要とされる職業でもありますが、業種などによって仕事内容は変わってきます。今回はその内容や違いについてまとめましたので「営業職」に関心の高い方は是非参考にしてみてください。

■法人営業は長く取引先として関わることを目標に

「法人営業」は、自社で扱っている商品やサービスを必要とするような法人へ売り込みます。売り込むものは様々ですが、個人を対象とするよりも高額であることが多く、製造機械や材料、パソコンを使った継続性のあるサービスなどが該当します。いずれも一度売ってそれっきりというわけではなく、その後のトラブルやメンテナンスなどにも応じ、長くその法人と取引先として関わっていく役割を担います。

深いつながりができればほか商品の売り上げにもつながり、業界や市場に関する相談も増えていきます。双方にとってメリットが得られる付き合い方が大事なので、取引先法人の規模や情報、同業の取引先などの知識は常にアップデートする必要があります。当然自社の商品知識は欠かせなく、自分が欲しいと思うもの、相手の役に立つサービスとして自信を持てるものを紹介しなければなりません。知識だけではなく、技術に関わることも可能な限り経験しておくと発言にも説得力が増し、営業先だけでなく自社内でもコミュニケーションがとりやすくなるでしょう。

■個人営業はその人にあったものを売り込む

「個人営業」は、自社で扱っている商品やサービスを個人相手に売り込みます。化粧品や健康食品、衣類、生活雑貨など、継続利用が見込めるものが一般的です。個人情報の保護に関する法律により、事前に売り込み先の情報を入手するのは困難なため、ターゲットとなりそうな顧客側から何らかのアクション(来店、インターネットサイトへの登録など)をとってもらったあとに、本格的な営業を行うケースが増えています。

以前は飛び込みによる訪問販売が多くありましたが、悪い印象を与えてしまったり、労力と売り上げのバランスが悪かったりといったデメリットが目立ちました。そのため一部の業種をのぞき、事前のアポイントメントなどを行うことが多くなっています。電話のヒアリングですむ商品もありますが、中には個人宅へ伺いじっくりと説明をして結びつける場合もあります。相手の性格や家庭事情などを会話や家の様子から判断して、コミュニケーションをとる必要があります。

■代理店営業は「代わりに売ってもらう」ことが必要に

「代理店営業」は、自社の商品やサービスを売ってくれる企業に対して、アクションを起こす営業です。法人向けの業種としては中古車販売や広告、個人向けの業種としては保健や携帯電話、電話やテレビ放送サービスなどがあります。

売り込む先の「代理店」は自社の商品だけでなく、ライバル会社の商品も扱っています。例えば1つの種類の製品でA社もB社もC社も扱っている小売店を想像すると、業態がわかりやすいかもしれません。直接顧客と話す機会が少ないため、代理店の方に自社の商品をすすめてもらえるようなアピールが必要となります。代理店の方がすすめやすい資料をそろえたり、勉強会をひらいたりといった工夫をしている方も多く存在します。

営業職は「話す」ことよりも「聞く」ことが重要視される職業とも言われています。相手の立場になって考え、必要な情報や商品を紹介することが大切だといえるでしょう。