トヨタ自動車がこのほど発表した「カローラアクシオ」「カローラフィールダー」のハイブリッド車。発売に合わせて、「COROLLA HYBRID JEANS」をコンセプトに、ジーンズ姿の木村拓哉さんらが出演する新CMが放映されるほか、ジーンズでラッピングされた「カローラフィールダー」が各都市で展示されるという。

「カローラフィールダー ハイブリッド」(写真左)とジーンズラッピングカー(同右)。発売に合わせ、各都市で企画展示を開催する

「カローラ」といえば、5年ほど前まで新車販売ランキング首位の代名詞的存在であった。しかし現在、トヨタにおいて、「カローラ」に代わってその座を占めているのは、「プリウス」「アクア」といったハイブリッド専用車だ。それでも「カローラ」は、これまでガソリン車のみのラインナップを貫いてきた。

昨年5月のフルモデルチェンジから1年以上経過したが、ここに来てのハイブリッド車追加は、正直、「機を逸した感」があるような……。そんなモヤモヤを抱えつつ、新宿駅前に展示された実車と対面することになった。

本物のデニム生地でラッピングされた「カローラフィールダー ハイブリッド」。ステッチやリベットが施される芸の細かさ

しかし実車を前にして、「COROLLA HYBRID JEANS」というキャッチコピーがすぐにしっくりと来た。どの年代にとってもなじみのある、普通のクルマの形。「プリウス」や「アクア」のデザインは、「空気抵抗が少ない→低燃費→エコカー」を印象づける「トライアングルシルエット」だが、「カローラ」の形状は当然ながら「カローラ」のイメージのままだ。気負ってエコカーを選ぶのではなく、それこそジーンズを履くように、自然体でカジュアルなハイブリッドカーに乗る。そんなメッセージも込められているように感じた。

パワートレインは「アクア」と共通で、燃費性能は「アクア」の35.4km/リットルには少々及ばないが、「プリウス」の32.6km/リットルを超える33.0km/リットル(いずれもJC08モード)となった。似たようなプロフィールのクルマが並ぶわけだが、「カローラ」の"形"へのニーズは確実にあるだろう。ハイブリッド専用車の形と違って、Aピラーとフロントガラスが極端に寝ていないので、視界が良く、運転しやすい印象を与える。

とくに「カローラアクシオ」のハイブリッド仕様においては、セダンを好む中高年層(いまだにワンボックスカーに対して、商用車とイメージをダブらせてしまう人も多いらしい……)の支持も得るのではないだろうか?

フロントグリルやシナジーブルーを配したエンブレムは、ハイブリッド車専用のもの。フェンダーにも「HYBRID」の文字が

トライアングルシルエットの「プリウス」「アクア」と違って、フロントガラスが寝ていない、なじみのある形をしている。

「カローラアクシオ」ハイブリッド仕様の価格は192万5000円から、「カローラフィールダー」ハイブリッド仕様は208万5000円からとなっている。「カローラフィールダー」「カローラアクシオ」とも、ハイブリッド仕様専用のボディカラー「ライトブルーメタリック」が設定されているとのこと。なお、新宿駅前にも展示された「カローラフィールダー」のジーンズラッピングカーは、今後も「COROLLA HYBRID JEANS」キャンペーンの一環で、大阪、名古屋、福岡、札幌で順次展示される予定だ。