海外で働きたいと思いますか?

産業能率大学(東京都世田谷区)は、今年4月に新卒採用(高卒以上)した18歳から26歳までの新入社員793人を対象に、海外志向などをたずねた「新入社員のグローバル意識調査」を行った。調査期間は6月18日~24日。

海外志向の2極化が進む

海外で働きたいと思うかを、「どんな国・地域でも働きたい」「国・地域によっては働きたい」「働きたいとは思わない」の3択で聞いたところ、「働きたいとは思わない」が6割近い58.3%に達した。一方「どんな国・地域でも働きたい」が29.5%、「国・地域によっては働きたい」が12.2%で、合わせて41.7%が"海外で働きたい"と回答している。

"海外で働きたい"と答えた人にその理由を聞いたところ、「日本ではできない経験を積みたいから」が74.0%で最多。次いで、「自分自身の視野を広げたいから(65.6%)」、「語学力を高めたいから(47.7%)」となった。

一方、"働きたいとは思わない人"にその理由を聞いたところ「自分の語学力に自信がないから」が最も高く65.2%。そのほか、「海外勤務は生活面で不安だから(50.4%)」、「海外に魅力を感じないから(35.5%)」となった。

海外で働きたいと思いますか?(経年比較)

経年比較では、2007年度以前の調査と2010年度以降の調査で調査方法が異なる(質問紙配布からインターネットリサーチに変更)ことに留意が必要なものの、「どんな国・地域でも働きたい」と「働きたいとは思わない」がいずれも増加傾向にある。

学校の英語教育「役に立たなかった」半数超

学校における英語教育が役に立ったと思いますか?

最終学歴までの学校における英語教育が役に立ったと思うかと聞いたところ、「役に立たなかったと思う」が55.9%で半数超。理由として、"会話の能力が身に付かなかった"や"テストで点を取るための勉強だった"などの声があがっている。「役に立ったと思う」は44.1%で、"文法をしっかり学ぶことができた"などの理由が多かった。

学校教育の「グローバル人材育成」、8割弱が強化すべきと回答

学校教育の「グローバル人材育成」を強化すべきだと思いますか?

文部科学省の「産学連携によるグローバル人材育成推進会議」における"グローバル人材"の定義を示したうえで、学校教育での「グローバル人材育成」の取り組みを強化すべきだと思うかを聞いたところ、77.8%が「強化すべきだと思う」と回答。理由として、"グローバル化の進展が進んでいるから"や"日本の良さを広めることにつながるから"といった意見があった。