作家・辻村深月の小説『鍵のない夢を見る』(9月1日スタート 毎週日曜22:00~ 第1話は無料放送)がWOWOWでドラマ化されることが12日、明らかになった。

『鍵のない夢を見る』(文藝春秋刊)

同作は、2012年に第147回直木賞を受賞した短編集で、現代の地方都市の閉塞感を背景に、ささやかな欲望と闘うありふれた人々が奈落に転がり落ちていくさまを描く。

ドラマはオムニバス形式で、親友の幼い頃の罪を今も忘れられない、同級生・ミチルの話「仁志野(にしの)町の泥棒」、孤独だとわかっていてもプライドにしがみついてしまう、OL・笙子の話「石蕗(つわぶき)南地区の放火」、殴られても蹴られても身体が男から離れられない、フリーター・美衣の話「美弥谷(みやたに)団地の逃亡者」、幼いバカな男とわかっていながらも人生を差し出す、教師・未玖の話「芹葉(せりば)大学の夢と殺人」、理想のママ像に押しつぶされて、我が子の姿を見失ってしまう、主婦・良枝の話「君本家の誘拐」の全5話となる。

原作者の辻村は「『事件』として扱われたものはすべて、ガラスケースの向こうに陳列されたものを観るような、一気に「特別」なものになってしまう気がするのですが、そのひとつひとつにも、私たちと何ら変わらない人たちの生身の感情や行動があるはずだ、と考えたことが、この作品の執筆のきっかけになりました。 今回のドラマ化で、私が届けたかったそれらの感情が、より切実に、より多くの人のもとに届いてくれるものと確信しています」と期待を寄せている。