女優の中谷美紀、松下奈緒、戸田恵梨香が、今秋放送予定のフジテレビ系スペシャルドラマ『花の鎖』で、トリプル主演を務めることが3日、明らかになった。

スペシャルドラマ『花の鎖』で主演を務めた中谷美紀(中央)、松下奈緒(左)、戸田恵梨香

同作は『告白』『夜行観覧車』などで知られる作家・湊かなえの同名小説を原作に、『Dr.コトー診療所』『プライド』『眠れる森』など数々のヒットドラマを手掛けてきた中江功監督がメガホンを取った。山あいの古都の街を舞台に、「誰にも言えない秘密」を抱えた3人の女性。それぞれの秘密が明らかになる時、そして謎の男「K」の正体がひもとかれる時、それぞれの伏線が1つに集約し、まるで鎖のように物語がつながっていく。

中谷が演じるのは、つつましくも幸せな新婚生活を送る美雪。ある時、陰謀に巻き込まれ、夫が急死してしまう。中谷はその役柄を、「いちずで、融通の利かない不器用な性格ゆえに、傷つきやすく、しかし、悲しみや苦しみを乗り越えることこそ、人生の醍醐味なのかもしれません」と分析し、「良きにつけあしきにつけ、人は人とのつながりなしには生きては行けないものなのだと、あらためて気付かされました」としみじみと語っていた。

一方、松下が演じた梨花は、失業中の英会話スクール講師。病床の祖母の面倒を見ていたが、手術費用が工面できなくなったため、毎年豪華な花束を贈ってくる「あしながおじさん」に援助を求める。「決してひとごとではないけれど、少し傍観者みたいな立場でもあるという、そういう立場に唯一あるのが梨花だと思います」と説明し、「人間のあまり見せたくはないところ―うそをつくところだったり、ずるいところだったりといったところが描かれていておもしろいなと思いました」と作品の魅力を伝えた。

山岳同好会に所属する大学1年生・紗月に扮した戸田。松坂桃李演じる先輩・浩一と恋に落ちるも、彼との間にはあらがうことができない恐ろしい「秘密」があることが明らかになる。「泣き芝居が多くて大変です」と難しい役どころのようで、「お芝居をしていても精神的に落ちることが多くて、本当にもうちょっと楽になれればいいのに、とすごく思いました」と吐露。「今自分の中で大切にしていることとして、自分のために生きるということを一番頭に置いているので、そういう面でもいろいろ感じるものがあった作品でした」と撮影を振り返っていた。

そのほか、松坂桃李、要潤、筒井道隆、草笛光子といった豪華俳優陣が3人の脇を固めている。