おもしろい男性に勝ち目はある?

取材で芸能人・一般人問わず女性に好みの男性のタイプを聞くと、「おもしろい人」と答える場合が多々あります。では、「おもしろければいいの? おもしろい『だけ』でいいの?」と聞くと、ほとんどの女性はとまどい、大半が「優しい人」と追加します。

「おもしろくて優しい人」。曖昧ですね。この言葉がどんな意味を指しているのかというと、実は、おもしろい=ホスピタリティ(人を心からもてなす力)がある=人を気遣える→人を気遣える人は優しい、という意味なのです。

つまり、女性たちが求めるおもしろさとは、周囲にいる人たちを気遣いつつ場を盛り上げられるユニークさを持つ、優しい人、ということ。裏返して考えると、自分が目立ちたいだけでウケを狙おうとするおもしろい男性は好みではありません、ということです。

ですから、「おもしろい『だけ』で男性はモテるのか?」という問いには、「そこにホスピタリティが込められていて、武器がもう1つぐらいあれば」という答えになります。武器に関しては後述しますが、ホスピタリティに関しては、ルックスはイケメンではないけれど、プライベートで女性にモテているという、テレビに出ているお笑い芸人がいい例。彼らは笑いを"独り占め"せず、必ず誰かに笑いをつなげています。他の人もおいしくなるような心遣いが、そこにはあるのです。

さらに、テレビに頻繁に出るクラスの芸人たちは、笑いの他にそれなりに稼いでいるという、もう1つの武器を持っています。性別を問わず一般人があのレベルまで収入を引き上げることは険しい道のりかもしれませんが、恋愛という勝負事に勝つためには、武器は1つでも多く身につけておいたほうがいい。

ですから、おもしろい「だけ」でモテようとせず、何かもう1つだけでも、今自分の中にある長所を磨いたほうが、有利に進められると思うのです。男性のみなさんは、恋人になる女性がかわいい、もしくはキレイ「だけ」で満足でしょうか。おそらく違うと思います。それは、女性にとっても同じということです。

結局イケメンがいいのか

この「もう1つの武器」と聞いて、「ほら、やっぱり女は結局イケメンがいいんじゃない」と考えたアナタ。それは違います。

確かにイケメン好きは一定数存在しますが、イケメンを恋人にはしたくない女性も存在しています。彼女たちは、「他の女性にもモテるから浮気する可能性が高い」「自分に自信があるから"自分は自分のままでいい"と強く思い込みすぎていてエッチが下手」などの理由で、イケメンから遠ざかっていたりします。

ちなみに、ものすごい美女を取材した時に、「告白した相手から、『あなたが好きなのはイケメンでしょ?』と言われてフラれた」と悲しんでいるケースを聞きました。男性が、「こんな美女が自分を好きなはずがない」と尻込みしてしまったのでしょう。ですが、好みは人それぞれ。「※ただしイケメンに限る」という言葉に安心感を覚える人は、自分の武器を磨く努力をせずに、その言葉に逃げてしまっているだけなのです。

ホスピタリティあふれるおもしろさを持っている人は、それだけで強い武器の1つ。もう1つでいいので見つけて磨く努力をしてみてはいかがでしょうか。女性からの見る目が変わってくるかもしれませんよ。

著者プロフィール

内埜さくら(うちの さくら)
恋愛コラムニスト。1200人以上の人物取材の経験で磨かれた鋭い洞察力が武器。事務、販売、接客など数多くの職業を経験後、2004年にフリーライターとして活動開始。多種多様な依頼をこなすうちに人物取材を得意とするようになり、男性誌で約3年以上、恋愛やセックス特集を担当。ライター活動中に取得した心理カウンセラーになるために学ぶ必須項目の心理学と取材データを元に、処女作の「恋がガンガンうまくいく魔法のフレーズ80」(講談社)を上梓。心理カウンセラーとしても活動中。「恋愛コラムニスト内埜さくらのブログ」も更新中。