気がつけばいつも財布の中が心もとない……

分かっているけど、ついつい止められない。そんな浪費癖に悩んでいる人も多いのでは? 今回は筆者が実際にやってみて、効果があった浪費対策を紹介します。

浪費は現代社会の必要悪である

先に言ってしまうと、筆者は浪費を悪いこととは思っていません。実際、仕事が忙しい時は本屋に行き、目についた本をむやみに買う癖があります。読んでもいない本が一定量を超えたら、たとえ書店の袋に入ったままの本であっても、ブックオフに売りに行くようにしています。

普通に考えたらこの行為は浪費なのでしょう。でも、こういったお金の使い方は、誰しも多少はしているのでは?と思っています。いわば、現代社会の必要悪といったもの。それを浪費と呼んでしまったら、身体や心が持たないのではないでしょうか。

罪悪感から自由になる方法を考える

浪費を浪費と思うから、目をつぶりたくなります。実はそこが問題なのです。目をつぶったとしても、実際にお金は使っているのだから減っていきます。その現実を、勇気を出して見てみましょう。止まらない浪費を無理なく抑えるための第1歩はソコです。

もし勇気が出ないのであれば、お金の使い道に自分が納得するネーミングをつけてみることをおすすめします。これでお金を使うことに対する罪悪感が、少しは減るのではないでしょうか。罪悪感の目隠しを外したら、現実のお金の流れが見えてきます。

浪費に名前をつけて、お金の使い道を意識する方法の一例

例えば、表にある経費は実際に筆者がネーミングしているものです。「コンビニでの買い食い代」は「息つぎ費」として、「飲み代」は「グルーミング費」、「雑誌や本を買うお金」は「情報収集費」、「趣味に使うお金」は「生きている実感費」など。多少強引でも、お金に“意味・価値”を持たせると言う意味では大切なポイントになります。

自分が浪費をする時の傾向を知る

なぜ、「現実のお金の流れ」を見ることが必要なのでしょうか? それは自分の傾向を知るためです。「明日がプレゼンの日は、本や雑誌を買ってしまうことが多いな」とか「取り引き先回りをした日は、いつもより飲み過ぎてしまう」といったことを、思いついた時に手帳にメモをしてみます。

メモをするのはデータを蓄積するため。その場限りで思っているだけでは、なかなか傾向をつかむほどのデータ量にはなりません。“思いついた時”程度の無理のないテンションでいいので、データ収集を試してみてください。きっと思ってもいなかった自分像が見えてくるはず。

浪費の予算を決める

自分の傾向がつかめたら、浪費しないように対策を練ります。そう書きたいところですが、そこまでやると偉すぎです。「頑張っている感」が出てしまって、かえって苦しくなるでしょう。最初は「自分はこんな時に浪費をしてしまうんだな」ということを把握しておく程度で十分です。

把握ができるようになれば、1カ月の浪費の予算(上限)を決めます。例えば筆者の場合は、1カ月5,000円までが本や雑誌にかけて良いお金と決めています。浪費枠のレシートは机の引き出しに箱を置いて、その中にためていきます。使いすぎだと思ったら、レシートの合計を計算するという作業も予算のヘッジになります。

月に飲み会1回分程度の浪費なら、必要悪として許しましょう。こんなふうに、大枠の「許し」を自分に与えておくことで、気持ちに余裕が生まれます。浪費が止まらない原因として、「浪費を止めなければいけない」と思うストレスが大きく絡んでいると言えるでしょう。だから、気をつけるべきポイントを具体的につかみ、大枠の許しを自分に与えることも必要です。