『アウト×デラックス』

――たくさんあるトーク番組の中で『アウト×デラックス』が存在感を示すために忘れてはいけない部分は何でしょう。

「なによりまず、『ウソをつかない』ということですね。この番組は特に"ウソ"や"偽物"が分かりやすいと思うんです。ですから、柿沼(しのぶ)さんや山下(恵司)くんがナレーションでセリフを噛んでもそのまま使います。本音である以上、"笑い"が無くても番組は充分成立すると思いますので、オチがなくて戸惑ってる様子もそのまま見せたいんです。それから『見たことがない』ということ。たとえばタレントさんの場合、誰もがすでに知っている情報ではなく、インタビュー記事の片隅にほんの2、3行書いてあるようなことに目をつけてどんどんひも解いていくと、今まで見たことのないその人のキャラクターが浮かび上がってくるんです」

――建前を駆使して生きていかなければいけない現代社会では、本音で生きている"アウト"な人たちはむしろ輝いて見えます。

「人間、本音で生きるのってなかなかパワーが要りますよね。僕なんか本音で生きようとしたら速攻で人生終わりますよ(笑)。でも、みなさん、好きなものに対してはものすごく真っすぐじゃないですか。僕も今日、朝7時まで仕事してたんですけど、8時に起きて9時からのセールに行って、ジャケットや何やらごっそり買いました。好きなことやものについて話す時って、人間、目つきが変ですよね(笑)。自分も含め、やっぱりそこが見たいんですよ」

――もともとドキュメンタリー制作志望だったとか?

「いいえ。全然そんなことはなく、コントが大好きでした。ただ、コントでも世相を反映したり、体制を批判したりするものが好きなんです。そもそもコント自体、庶民が体制に対して本音が言えないから笑いに包んで表現した、という成り立ちがあるじゃないですか。それから僕、コントと同じくらいオシャレが大好きなんですけど(笑)、セットやテロップなど、この番組のオシャレ度はかなり高いと自負してます(笑)」

――『アウト×デラックス』で今後やってみたいことは何ですか。

「今はさまざまな"アウト"な人たちを紹介していますが、やがてアウト軍団が定着したら、人数を増やして彼らだけで1つの学級というかクラスを作って何かやってみたいです。なにより僕自身、飽きたくないんですよ。毎回スペシャルのつもりで作ってます。こだわりすぎてオンエア直前までいろいろああでもないこうでもないってイジるから、後でめちゃくちゃ怒られるんです(笑)」……続きを読む