――ところで、今のテレビバラエティーについて何か思うことはありますか?

「全然、考えてません(笑)。小さい頃からずっとテレビが大好きで、『ダウンタウンのごっつええ感じ』や『笑う犬』シリーズを見て育ちましたが、一番好きなのは『あっぱれ! さんま大先生』。あれに出てくる子どもたちが予測不能の動きをするのがホントに面白くて、キテレツで常識を超えていて、見ていて飽きなかったんですよ。そう考えると今、自分がやってることとつながっているとは思いますね」

――近年、若者を中心としたテレビ離れがよく話題になりますが、それについてはどうですか。

「本当はもっと考えないといけないんでしょうけど、一職人として与えられた仕事を真っ当にやるしかない……と思います。ただ、今後は現場の責任者である以上、ネットを含めていろいろなことを勉強しないといけない……と、思ってるだけで特に何もしてないんですけど(笑)。"根拠のない自信"ではなく、"根拠のないヤバさ"ならありますね。局の偉い人の話を聞いたりすると、『なんとかしなければ!』……と、その日だけ思います(笑)」

――でも鈴木さんの場合、実は根っこの部分で真面目というか誠実というか、わざと軽口を叩いているようにも見えますが。

「そうです(笑)。それは冗談ですが、時々、自分なんかがテレビ番組を作ってもいいのかなって思うことはありますよ。圧倒的に知識量が足りないし、ノリで作っているようなところも半分ありますし。でも、ノリと言うと聞こえは悪いですが、良い意味の"悪ふざけ感"って今のバラエティーに少し足りないような気もするんです。僕は岐阜出身ですけど、常に岐阜の友だちを笑わせようと思って番組を作ってますし、まずは身近な人に『面白い』って思ってもらえるように頑張ってます」

――子供の頃からそういうキャラクターだったんですか?

「小さい頃からクラスのひょうきん者的ポジションでしたね。4コマ漫画を書いたり、クラスメートを集めて替え歌を披露したり、妹に新作のモノマネを聞かせたり(笑)。高校3年生の時には、自分でやったモノマネ100本をカセットテープに録音して『ギャランドゥ鈴木のドラゴンボイスZ』とタイトルをつけてクラスのみんなに配りました。もしかしたらそれが自分の原点かもしれませんね(笑)」

――では最後に、番組をご覧になるみなさんにメッセージを。

「単に僕が勉強不足なだけかもしれませんが、この『アウト×デラックス』は、みなさんが今まであまり見たことのない、もしかしたら初めて見るタイプのバラエティーだと思います。矢部さんとマツコさんが素で楽しんでいる雰囲気も含めて、今のフジテレビにない感じを出していきたいですし、1時間番組を作れるボリュームを凝縮して濃厚な30分に仕上げています。結局、汗をかいて丁寧に作ったものじゃないと、人は見てくれないと思います」