ナインティナイン・矢部浩之とマツコ・デラックスがMCとなり、趣味嗜好や性格などがちょっと突き抜けてしまっている"アウト"な人たちを招いて繰り広げる、フジテレビ系の異色トーク番組『アウト×デラックス』(毎週木曜 23:00~)。2011年に初めて深夜枠で放送された後、幾度かのスペシャル放送を経て、この4月からついにレギュラー化をはたした。今回は、番組の演出を手がけるフジテレビ・鈴木善貴ディレクターに話を聞いた。
鈴木善貴(すずき よしたか) |
――まずは番組立ち上げの経緯からお聞かせ下さい。
「2年前、矢部さんとマツコさんで何かやりましょうという話になって、深夜だし、おまえやってみるか、ということで声をかけていただいたんです。最初は『アウト』というフレーズもまだなく、自分を『女優』と言い張っているエキストラのおばちゃんのような、ただ単に面白くて変わった人を出そうという感じだったんですよ。でも、ある時、打ち合わせでマツコさんが『私自身が"アウト"だから、そういう人たちを笑うことは出来ない』とおっしゃったんです。そこから番組のコンセプトが固まっていきました」
――番組作りの上で特に心がけていることはありますか?
「実は第1回目の放送は出演者、特に素人の方がリラックスできるように浅草橋のダーツバーでロケをしているんです。正直言ってどうなるか分かりませんでしたが、みんなが台本に無いことを話して、僕らの常識を超えたとてつもないものが出来上がりました。1時間番組にもかかわらず、7時間も収録しましたから(笑)。番組を作る上で気をつけているのは、初めて見た人が、出演している"アウト"な人をあざ笑う形にだけはならないようにすること。もちろん作っている僕たちもそ彼らを嘲笑するつもりはないですし、『こいつら"アウト"だけど面白い』と思ってもらえるような番組作りを常に心がけています」
――この番組のタイトルにも使われている"アウト"という言葉の意味は?
「これもマツコさんがおっしゃっていた言葉ですが、『人間みんな本音で生きたら実は"アウト"』なんですよね。人を傷つけたりすることは論外ですけど、誰しも表にはなかなか出せない本音を抱えて生きているわけで、そんな正直な気持ちをさらけ出した時って、気持ちがいいじゃないですか。その意味ではアウト=本音と言えるかもしれません。番組に寄せられる反響も『この番組を見て、もっと素直に生きていいんだと思いました』とか『自分もそこそこ性格がイタいと思ってましたけど、全然、今のままでいいんだと思いました』とか、そういった意見をいただくとやっぱり嬉しいですよね。実を言うとそんなに大げさには作ってないのですが(笑)」……続きを読む