東京地区私立大学教職員組合連合はこのほど、「2012年度 私立大学新入生の家計負担調査」の結果を発表した。同調査は、2012年度に首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木)にある17の私立大学・短大に入学した新入生の保護者を対象に実施したもの。調査期間は2012年5月~7月、有効回答数は5,349件。

それによると、「受験から入学までの費用」は、自宅外通学者が210万6,182円で前年度比1万7,869円減少、一方、自宅通学者は152万2,482円で同4,031円増加した。

自宅外通学者の「入学の年にかかる費用」は294万5,682円で、前年度より3万7,669円減少。また、保護者や学生の裁量で出費を抑えることができる「仕送り額(4月~12月)」は83万9,500円で、同1万9,800円減少した。

自宅外通学者の「入学の年にかかる費用」(出典: 東京地区私立大学教職員組合連合Webサイト)

自宅外通学者世帯の「税込収入に占める『入学の年にかかる費用』」の割合は34.2%と、平均税込年収860万7,000円の3分の1以上を占め、家計への負担が大きいことが改めて示された。

「仕送り額」の平均は、入学直後の費用がかさむ5月が10万6,500円で、前年度比3,600円減少。出費が落ちつく6月以降(月平均)は8万9,500円で、前年度を1,800円下回り過去最低額を更新した。さらにこれをピーク時の1994年の12万4,900円と比べた場合、約4分の1に当たる3万5,400円少なくなったことがわかった。

毎月の家賃は平均6万1,800円で、前年度比800円増加。平均仕送り月額(6月以降)に占める家賃の割合は69.1%で、1986年度のデータ以来、過去最高を更新した。また、平均仕送り月額から家賃を引いた生活費は2万7,700円で、これを1日あたりの生活費として算出すると、わずか923円となった。

日本学生支援機構(旧日本育英会)を含む奨学金を、「希望する」新入生は64.2%。このうち、実際に奨学金を「申請した」人は63.4%に上った。日本学生支援機構がまとめた奨学金受給率の合計は37.3%(2011年度実績)で、内訳は私立大学生が36.3%と、国公立大学生の41.1%と比べて若干低くなっている。

入学費用を借入した家庭は17.2%。借入額の全体平均は163万円で、前年度より1万2,000円減少した。住居別に見ると、自宅外通学者の借入額は平均196万3,000円と、自宅通学者の133万5,000円と比べて62万8,000円多くなっている。

受験から入学までの費用の負担感を尋ねたところ、91.9%が「重い」(「たいへん重い」と「重い」の合計)と回答。中でも、入学費用を借入した家庭では99.0%が「重い」と感じていることが明らかになった。