少し前に、さかもと未明さんのコメントを発端に、乳幼児同伴での飛行機旅行についてネット上で話題となった。さまざまな意見が飛び交ったが、それ以前から乳幼児のいる家庭にとっては飛行機での移動はなかなかプレッシャーの大きなものだった。何しろ、機内は逃げ場のない密室。「いつ泣き出すか」と冷や冷やもので、泣き出すと「周りに迷惑がかかる」「早く泣きやませないと」と気持ちが焦る。

キャセイパシフィック航空ではどのような乳幼児向けサービスを行っているのだろうか

そんな小さな子供がいるパパ&ママにとってはハードルの高い飛行機旅行だが、航空会社はどのような対策をとっているのだろうか。キャセイパシフィック航空に聞いてみた。

ベビー用ベッドやおむつの用意も

まず、一体いつから乳幼児は搭乗できるのか。その疑問に関しては「健康な乳幼児であれば、生後8日目から搭乗可能」との回答だった。もちろん、保護責任者の同行は必須だ。次にシートの問題だが、ベビーシートやチャイルドシートは、それらのシートを使用する個別の座席を購入していることや、ベビーシートやチャイルドシートが6カ月以上満3歳までの乳幼児または子供の使用に対応して18kg以下であること、前向きのシートであることなどを条件に、持ち込みができる。詳細条件に付いてはキャセイパシフィック航空ホームページ内の案内を事前に確認しておこう。いつも使い慣れているベビーシートやチャイルドシートが持ち込めるのは、パパ&ママとっても赤ちゃんにとってもポイントが高いだろう。

また、同社の全ての機材にはベビーバシネット(ベビー用ベッド)が用意されている。こちらはチケット予約時の申し出が必要で、体重12kg以上、生後6カ月以上はサイズ的に適さない場合もある。さらに、おむつ交換用の折り畳み式テーブルは、全機材の最低2カ所のお手洗いに設置されている。紙おむつについても、S・M・Lサイズが用意されており、出発24時間前までの予約で利用できる。万が一の時にうれしいサービスだ。

食事については、粉ミルクは機内持ち込み荷物の重量範囲内であればOK。食事の持ち込みは、再加熱の必要がないものであれば可能となっている。ベビーミールやチャイルドミールに関しては機内でも用意されており、ベビーミールは裏ごした風味付きの肉または野菜やデザート、ベビージュースのセット、チャイルドミールはハンバーガーやソーセージ、フィッシュフィンガー(フライ)など、子供に人気のメニューをそろえる。こちらは出発時刻の24時間前までに同社ホームページまたは予約・発券センターから申し込みができる。

ベビーミールやチャイルドミールも用意されている。出発時刻の24時間前までに申し込みが必要

乳幼児のいるママたちに聞くと、「フライト前に空港で遊ばせて疲れさせておき、機内では寝かせるように仕向ける」「泣きそうになったら口におやつを入れる」など、さまざまな工夫をしているようだ。極力乳幼児連れの飛行機旅行は避けているという声も聞くが、帰省や海外赴任など、やむを得ないケースも出てくるだろう。そんなときは今回紹介したような航空会社のサービスを利用しつつ、快適な空の旅を楽しんでもらいたい。