岩手県の三陸鉄道は15日、南リアス線の盛~吉浜間で4月より運転再開すると発表した。これに合わせて、新潟トランシス製の新型車両36-700形も使用開始される。

三陸鉄道に導入される新型車両イメージ。南リアス線盛~吉浜間の運行再開と同時にデビュー

東日本大震災で大きな被害を受けた三陸鉄道だが、現在は北リアス線宮古~小本間、田野畑~久慈間で営業運転が再開されている。南リアス線は約2年間にわたり全線不通が続いたが、復旧工事が進捗し、盛~吉浜間で運転再開することに。3月15日より同区間で列車の試験および試運転を実施。4月3日に運転が再開され、吉浜駅にて運転再開記念式典が開催される。

当日は運転再開記念臨時列車を3往復運転。この列車に使用される新型車両36-700形は、津波で浸水し使用不能となった車両3両の代替として新製された車両で、クウェートからの震災支援の資金を活用しているという。臨時列車は2~3両編成での運転を予定している。最初に運転される1往復は一般公募の当選者のみ乗車でき、残り2往復は予約なしでも乗車可能だ。乗客には記念乗車証が贈られる。

通常の営業運転開始は4月4日から。運転本数は1日7往復で、安全確認のため、当面は時速45kmでの運転となる。盛~吉浜間の所要時分は41~50分程度としている。

南リアス線の一部区間での営業運転再開に合わせ、三陸鉄道では4月4日より記念乗車券も発売。大船渡の被災松を利用した乗車券(盛~吉浜間の片道乗車券として利用可能)を1,000枚用意し、盛駅で発売される。価格は680円。通信販売も受け付けている。