JR東日本盛岡支社はこのほど、東日本大震災の影響で不通となった大船渡線気仙沼~盛間の仮復旧として、BRT(バス高速輸送システム)での運行を開始すると発表した。運行開始日は3月2日始発からとなる。

3月2日より使用開始する車両(イメージ)

駅舎整備される大船渡駅(イメージ)

開業時点での大船渡線BRT運行ルートは、気仙沼~大船渡間で一般道を使用し、大船渡~盛間では専用自動車道を整備して走行することに。大船渡駅では駅舎も整備される。運行車両としてノンステップ型ハイブリッド車両が順次導入され、大船渡線沿線の各県・各市のキャラクターをラッピングした車両も走る予定。なお、BRT運行に関する業務は岩手県交通、ミヤコーバスに委託される。

一般道ルートのうち、気仙沼・鹿折唐桑~陸前高田間はおもに唐桑道路を経由しての運行となり、途中に新駅として長部駅を設置。陸前高田駅は従来の駅の北側に移設され、「みどりの窓口」も整備される。このルートから外れる気仙沼~上鹿折間については、ミヤコーバス鹿折金山線の一部区間をJR東日本のBRT区間として運行する。

陸前矢作~陸前高田間は、気仙沼・鹿折唐桑~気仙沼間のBRT運行ルートとは異なるルートでの運行に。陸前高田駅から大船渡方面へは農免道路を経由するルートとなり、新たに高田病院駅も設置される。高田病院駅から先は、アップルロードなどを経由して脇ノ沢駅、小友駅、細浦駅に停車するルートと、これら3駅に停車せず、国道45号線経由で下船渡駅、大船渡駅へ向かうルートが設定されている。

3月2日以降の区間ごとの運行本数は、気仙沼~陸前高田間が上り(気仙沼方面)12本・下り(盛方面)13本、気仙沼~上鹿折間が上り6本・下り5本、陸前矢作~陸前高田間が上り19本・下り18本、陸前高田~盛間が上り26本・下り25本(うち小友駅経由は上り21本・下り20本)。BRTのみ利用する場合、運賃は鉄道と同額で、新駅に関わる運賃は新たに設定される。JR線(鉄道)との乗継ぎで利用する場合は合算運賃となる。

なお、大船渡線気仙沼~盛間の仮復旧を記念し、3月2日に大船渡駅前にて運行開始記念式典が開催されるほか、3月2~3日の2日間、大船渡市内および陸前高田市内にて記念イベントも計画されている。その他、盛岡から大船渡・陸前高田方面への復興応援バスツアー(BRT乗車も含む)も企画されるとのこと。