「与えられた仕事は確実にこなさなければならない」のが、サラリーマンの使命。でも、苦手だったり、やる気がどうしてもおきなかったりと現実は甘くありません。そこで、営業担当のAさんと一緒に、やりたくない仕事を面白くする方法を探ってみました。

■「何」が苦手なのか、ポイントを絞る

Aさんは、食料品メーカーに勤務する社会人歴5年目の中堅営業マンです。今では、チームリーダーとして5人の部下を率いています。「S社のR部長、いつもネチネチと話を詰めてくるんだよね。電話も長いし、おまけにかけてくるのはいつも19時以降だし……」と、悪口ばかり。そこで今度は違う角度から仕事について質問をしてみると、以下のような結論がでてきました。

【自分の仕事について】
・「営業」という仕事は好き
・人と会うことが好き
・自社製品に誇りを持って販売している

【やりたくない仕事について】
・現在担当は40社。でもS社のみが苦手 → S社全員ではなくR部長が苦手
・チーム全員が、R部長が苦手 → 自分が事前にR部長のイメージを吹聴しているから?
・S社との取引額が落ちている → さらなるアップを上から要請されている
・S社自体は尊敬している → S社全体については偏見なし

つまりAさんは「仕事も好きだし、S社にも尊敬の念を抱いている。自社製品にも誇りを持っているし、人と会うことも好きだ。でも、R部長だけが苦手だ」ということになります。

せっかく好きな仕事を担当しているのに、R部長が苦手というだけで、「やりたくない仕事」と考えてしまうとは、実にもったいない話です。しかし、R部長が苦手なのは事実。そこで無理に好きになろうとせずに、「そういう個性の持ち主だ」と割り切って考えるように努力してみました。また、部下へR部長の愚痴も言わないようにしました。「チームには、俺と違う性格の部下もいる。自分があわないからといって、部下全員がR部長とあわないとは限らない」。Aさんは、自分自身が苦手意識を作り、それを拡張させていたのだと反省しました。

■“苦手意識”に縛られないこと

また、Aさんは、社内での事務処理が苦手で、つい後回しになり、アシスタントから怒られてしまうことが多いようです。営業活動で人に会うことは得意だが、社内での事務処理は、得意ではないと考えています。しかし、話を進めていくと「帰社して事務処理をしないと、得意先へも迷惑をかけるし、何より自分の実績に反映されない(苦笑)」と、事務処理も営業活動の一環だという考えに変化した様子。もっとラクに作業ができる方法はないか、ツールや方法を工夫したりとモチベーションが上がる方法を模索するように改善してみる、とのことでした。

その後、Aさんは、苦手な事務処理を朝一に行うことにより、「苦手な仕事」から「こなさなければ、本業である営業にでかけられない仕事」という位置づけに変えたそうです。もちろん得意でないことには変わりませんが、モチベーションが大幅に変わったと笑顔で教えてくれました。やりたくない仕事を遂行するのは大変ですが、考え方を変えれば面白くなる方法もあるはず。社会人として、いろいろな考え方を身につければ、やりたくない仕事を面白くする方法も、もっとたくさん浮かぶのかもしれませんね。

文/櫻井綾乃(エフスタイル)