2011年4月からテレビ東京系列で放送され、長谷川博己演じる一見平凡な教師・鈴木先生がどこにでも起こり得る問題について過剰に悩みつつ、独自の教育理論によって解決してく様を描いたドラマ『鈴木先生』が、2013年1月12日にいよいよ『映画 鈴木先生』として公開される。
ドラマシリーズから出演し、本作でもキーパーソンとなる小川蘇美を演じたのは現在17歳の現役高校生・土屋太鳳。清廉潔白な小川蘇美の役柄を物語るような語り口で、ドラマシリーズ、映画を振り返ってもらった。しかし、インタビューを進める中で、"小川蘇美"とは決定的に違うある部分が徐々に浮かび上がってきた。
土屋太鳳(つちや たお) |
――ドラマ『鈴木先生』の出演までには多くのライバルたちがオーディションに参加していたそうですね。
1日に2回オーディションをやって、1回は小川蘇美ちゃん役として、2回目はみんなでエチュード(即興寸劇)をやったりしました。本当は1回だけのはずだったんですけど、もう1度受けることになって、そこで未来穂香ちゃんとか、ドラマのクラスメイト役の子たちと一緒になりました。
――原作を初めて読んだ時はどんな印象を?
私が今までよく読んでいた少女漫画とは違う雰囲気を感じました。なんか、気軽に読んじゃいけないというか、しっかり内容を理解しながら読まないといけない漫画なんだなって思って。そこで、(小川)蘇美ちゃんがどんな女の子かというのも、よく分かりました。
――雰囲気が違うというのは具体的にいうとどんな感じなのでしょう。
武富(健治)先生の伝えたいことが詰まっていて、1つ1つの言葉にグッとくるというか、引っかかるというか…。私はまだ当時、高校1年生だったんですけど、それでも何か引っかかるものがありました。
――それは役柄が決まっている状態で読んだのですか?
最初の1から3話ぐらいまではオーディション受ける前に読んでおいてくださいって言われていました。その後、オーディションを受けた後は後悔することが多くて、役柄の結果がどうなったのかもすごく気になりました。
――なにごとも結果が分かるまでは不安ですよね。
オーディションを受けた日に咳が出てたんですよ。風邪引いちゃったのかなって思ってたら、次の日にインフルエンザにかかっていました。寝てるしかできないので、結果がますます気になっちゃって。マネージャーさんにも電話したりしました。今振り返ると、そのぐらい役に引かれてたのかなぁって思います。
――優等生キャラクターの小川蘇美は、自分と比べて近い部分はありますか。
みんなから、『太鳳は変なところは変だけど、真面目なところはすごく真面目だからそこが蘇美ちゃんにリンクする』って言われたことがありましたけど、私は全然違うって思っていました。でも、あえて似てるところをあげるならば、自分の思ったことを人に伝えるってところは似ている部分かなって思います。でも、蘇美ちゃんは自分の言いたいことをある程度まとめて、人がどう思うかとかもちゃんと気にしてから話しているんですけど、私は思ったことをそのまま言ってしまいます(笑)。そういう部分でも、蘇美ちゃんの役はすごく勉強になりました。
――ドラマから映画の撮影まで約9カ月ほど空いたそうですね。
そうですね。みんなの雰囲気がすごく懐かしかったのと、あとはスタッフさんに会えるというのもすごくうれしかったです。スタッフさんたちがいてこその『鈴木先生』だったので。身長が伸びた子や声が変わっている子もいました。……続きを読む。