公開初日を迎えた劇場アニメーション映画『青の祓魔師(エクソシスト)劇場版』初日舞台あいさつが12月28日、東京・池袋のサンシャインシネマで行われた。

左から、高橋敦史監督、釘宮理恵、岡本信彦、木内秀信

2011年に放送されたTVアニメを経て、初の劇場アニメーションとなる本作は「幽霊列車(ファントムトレイン)」の暴走を巡る物語で、主人公・奥村燐と少年の姿をした悪魔・うさ麻呂の出会いをきっかけに、大きく動き出す運命が描かれる。本日の初日舞台あいさつには、主要キャストの釘宮理恵、木内秀信、岡本信彦、高橋敦史監督、原作者の加藤和恵が登壇した。

奥村燐役の岡本は、収録の様子を「最初の走ったり叫んだりのシーンで酸素が無くなって、収録の間は疲れすぎて記憶が飛んでるんです。無我夢中の演技でした」と振り返りつつ、「うさ麻呂がオムライスを見てトロトローって言うシーンがとても好きで、マスコットキャラは心が温かくなって癒されますね。うさ麻呂が相手だと、燐もお兄ちゃんらしさが出せてよかった。それから"幽霊列車"の動きがすごくて、めちゃめちゃ怖かったです」と、お気に入りのシーンを明かす。オムライスについては、先日の完成披露試写会でも話しており、自身にとってかなり思い入れの強いシーンになったようだ。

そして、うさ麻呂を演じた釘宮は「役が決まった時からプロデューサーさんに今回は観客を泣かせにいきます、と言われてプレッシャーでした」と本作の重圧を受け止めながら、「映画はそれぞれの役がすごく丁寧に描かれていて、そこにうさ麻呂として自然に参加することができました。色々なことを感じて、一冊の絵本を読み終えたような、素敵な物語を読んだような感覚で、作品としてとても好きだなと思いました」と本作の魅力を表現。「我ながらいい作品に恵まれたと思いました」と語った木内は釘宮の演技について「僕はできあがった映像を見て2回ほどマジ泣きしたんです。うさ麻呂とのあるシーンなんですが、テストの段階でも理恵ちゃんの演技で泣いちゃって、釘宮理恵すごいな! と思いました」と釘宮を絶賛していた。

原作者の加藤は劇場版について「これだけの物を作って頂いて、素晴らしい体験をしていると思いました」と語ると、本作で美術監督を担当する木村真二のファンであったことを明かし、不思議な縁に驚いている様子だった。高橋監督は原作サイドとのやりとりについて、「担当編集さんに杜山しえみの物語をやりませんかと提案したら、それは原作でこれから明かされるので駄目だと言われまして。この映画も、『青の祓魔師』の世界の1%くらいのようです」と語っていた。

2009年より加藤和恵が『ジャンプSQ』で連載中の人気コミック『青の祓魔師』は、2011年にテレビアニメ化され大ヒットを記録。魔神(サタン)の血を引く主人公・奥村燐が、双子の弟である雪男や仲間と共に祓魔師を目指す学園ダークファンタジー作品で、コミックスの発行部数は累計900万部を突破。初のアニメーション映画となる『青の祓魔師(エクソシスト)劇場版』は、現在公開中。