今年の4月28日~29日の2日間にわたって開催された「ニコニコ超会議」は、5年間で積み上げてきたユーザー文化の集大成とも言えるイベントであった。幕張メッセに10万人近くを集客し大盛況となった超会議だが、実はその後「超会議」の地方版として「"町"会議(ちょうかいぎ)」が行われていたことをご存じだろうか。
7月末から8月末までの期間、全国各地の夏祭りに併催する形で行われたこの試みは、大々的な報道こそされなかったものの、各地のローカル紙に取り上げられたり、地方の夏祭りの集客に役立ったりと、ニコニコ動画と地方自治体にとって一定の効果を上げたと言える。
これに気をよくしたのか、ドワンゴはこの秋、ニコニコ町会議の学園祭バージョンとなる「ニコニコ文化祭ツアー2012」をスタートさせた。といっても、イベントの内容自体はニコニコ町会議と変わらない。夏祭りではなく、全国の学校の学園祭にお邪魔する「移動式文化祭」だ。
そんなニコニコ文化祭ツアーが11月3日、福岡県北九州市に位置する北九州工業高等専門学校の「高専祭」内で開催された(ニコニコ文化祭はこれが2回目。第一弾は10月27日、兵庫県神戸市の専門学校アートカレッジ神戸・神戸動植物環境専門学校の「海の手祭」と併催)。
ニコニコ文化祭と学園祭――この不思議な組み合わせが何を生み出したのか、取材してきた。
11月3日、快晴。
北九州工業高等専門学校。優秀な技術者を多数輩出しており、ロボコン常連校でもある |
校門には手作りの作品が並んでいた。「カッコカワイイ宣言!」のかおちゃんやウサビッチはニコニコ動画でもおなじみの人気キャラクターだ |
小倉から車で約30分の志井公園駅を最寄りとする北九州工業高等専門学校は、共学ながら男子率90%という男の園である。
しかし、この日だけは少し様子が違っていた。……続きを読む