学校の敷地の最奥に設営された「ニコニコ文化祭」のメインステージ前には、まだ開始前だというのに若い女性が何人も待機していたのだ。さながらアイドルのコンサートに並ぶファンのようでもある。

北九州高専の最奥に設営されたニコニコ文化祭メインステージ

彼女らの目当ては、「ニコニコ文化祭」のMCとして出演する有名ユーザーたちだ。ぽこた、ふでぱ、Hamar@キラー、ドグマ風見、馬琴、ぐり子、アルテラマスターP……いずれもニコニコ動画に動画を投稿しており、多数の再生数を叩きだす人気者である。ここに、ニコニコ動画の姉妹サイト「ニコニコ静画」で活躍する漫画家の町田とし子を加えた8名が、この日のイベント進行を担当した。

メインステージの近くには「ニコニコカー」も。ここでは「ニコニコ先生相談室」と名付けられた定点生放送が行われ、終始盛況であった

コスプレをして生放送に登場し、模擬店の宣伝をする生徒も

朝10:00過ぎからスタートした「ニコニコ文化祭」の模様は、ニコニコ生放送で全国へ向けて放送される。通常なら進行役として経験豊かなプロの司会者を用意するところだが、それをあえてユーザーに任せてしまうのがニコニコ流だ。学園祭と併催ということで、あまり"プロっぽい雰囲気"を出したくないのだろうか。

司会進行はすべてニコニコ動画ユーザーが務める

ステージでは生徒たちが模擬店の商品や、展示している作品をアピールするコーナーも

生徒作品として高度なロボットが当たり前のように出てくるあたりはさすがである

ニコニコ動画には「ニコニコ技術部」と呼ばれるジャンルがある。今回出演し、生徒の作品に解説をつけていたアルテラマスターPもその分野で活躍する一人

とはいえ、今回メインMCに抜てきされた"ふでぱ"は、かつて2,000人規模のニコニコ関連イベントでもMCを務めた経験豊富なユーザーだ。また、"Hamar@キラー"や"ドグマ風見"にしても、芸人顔負けのトーク力を持つ素人離れしたユーザーであり、傍で見ていても番組進行に不安は一切なかった。ニコニコ動画から歌手をはじめとしてさまざまな分野のプロが誕生していることを考えると、もはや彼らを素人や一般人として扱うのは間違いなのかもしれない。

模擬店で販売しているというフライドポテトに舌鼓をうつMCのふでぱ。「踊ってみた」動画で彗星のごとく現れ、持ち前のトーク力で2,000人規模のイベントMCもこなした経験を持つ

「踊ってみた」で活躍する馬琴(左)、ぐり子の二人はマイクを持って校内展示のリポートを担当

漫画家の町田とし子はメインステージ横でひたすら似顔絵を描き続けていた。完成した集合イラストは放送の最後に公開。これはニコニコ文化祭恒例の企画だ

校内には多数の模擬店が並び、昼をすぎる頃には大盛況となっていた(写真は開始直後に撮ったものなのでまだ人は少ないが)

さて、そうやって始まったニコニコ文化祭in高専祭だったのだが、個人的にはこれまでのニコニコ関連イベントの中で、もっともニコニコらしくないイベントだったように感じた。"らしくない"というと語弊があるかもしれない。正しくは、"ニコニコならではのコンテンツが少ないイベント"だ。……続きを読む