ラーメン産業展には100社以上が出展

ブースは屋台風になっているところも

東京ビッグサイト(東京都江東区)で8月29日・30日・31日の3日間、麺の総合展「NOODLE WORLD(ヌードルワールド) 2012」が開催された。会場には全国から粉・麺・スープなどの具材から、製麺機・器・レシピ本まで、麺に関するあらゆるものが集結した。

同展は業界関係者のための商談を目的とした専門展示会。麺業界のさらなる活性化を目指し、食材や設備、技術、サービス向上の機会を提供している。実際にこの展示会を通して、新しい麺メニュー開発する飲食店もあるのだという。会場は「第7回ラーメン産業展」「第3回うどん・そば産業展」「第3回パスタ産業展」の3ブロックに分かれていた。

製麺メーカー×製粉メーカーのコラボで6種の新作麺が登場

100社以上が出展したラーメン産業展では、オリジナル新作麺6種を発表。麺のスペシャリストである製麺技能士を有する製麺メーカー6社と、製粉メーカー6社がコラボレーションし、麺にあったラーメンを展開していた。

菅野製麺所と柄木田製粉が開発した「石臼挽き乱切り麺」は、今までにないしっかりした小麦の風味ともちもち感をコンセプトに開発。長野県産の風味豊かな強力小麦と中力小麦をブレンドし、石臼製粉による多加水乱切り手もみ麺に仕上げている。会場で披露されたイメージラーメンは、天然日高昆布で抽出した上品なうまみが特徴の冷やしラーメン。ダシ感のある塩ダレとジュレのスープが麺にしっかり絡みつき、かむほどに小麦の風味がふわりと広がる。

乱切り手もみされた「石臼挽き乱切り麺」。冷やしラーメンにすると、もちもち食感が引き立つ

見た目も美しく、女性におススメなのがクリタ食品と日清製粉がコラボレーションした「なでしこ つけめん」だ。麺は2種類。1つは優雅さすら感じる美しい白で、細くソフトな食感が特徴。味わいもスッキリなので、あっさりスープによく合う。もう1つは、そばのような褐色の黒。細めに切りだした麺は風味が強く、スープに負けない存在感を放つ。麺の美しさが引き立つつけ麺にピッタリだ。

女性的な繊細さを感じる「なでしこ つけめん」。トマトやベーコンなど、洋風なアレンジもあり

その他、讃岐の粉を使用し、さぬきうどん製法で中華麺風に仕上げた「和風つけ担担麺」や、ウエーブが強く、硬くゴツゴツとした食感が特徴の「北海道冬味噌 雪原の大地」なども登場。イメージラーメンは会場でのみ味わえる完全オリジナルだが、発表された新作麺は商談の対象商品。展示会に訪れた飲食店が会場で発注して、自分の店の新しいメニューに新作麺を投入することもできる。どのようなラーメンになるのか、ぜひその味を確かめてみたい。

各ブースでは何十種類もの麺を展開

ブース内の厨房も本格的

地域の企業も独自の素材や技術でPR

うどん・そば産業展、パスタ産業展では、ともに20社以上が出展。今回初めて出展したという信州そばの渡辺製麺のスタッフは、「製麺メーカーは直接お客に触れることが少ない。実際に味を知ってもらい、数ある麺の中で『うちのお店はこの麺で行こう!』と思ってもらえるような場は大切です」とコメントした。同社は標高1,000mの高地で育った希少な八ヶ岳麓産のそば粉を使用するなど、その地域ならではの素材を生かした商品を展開している。

また、群馬製粉は地域の会社でありながら米粉を突破口に挑戦を重ねている。同社は設立以来、最中粉やもち米といった米粉を作ってきた製粉メーカーだ。現在は日本人の食生活にあった米粉製品開発に力を入れており、米と水だけで麺を作る「J麺」を開発。ブースではぷりっとした食感が味わえる米粉パスタを提供していた。現在、米粉パスタは茨城県内の学校給食に使われており、年内にも一般販売が開始される予定だ。

ブースで出合った麺たち。ラーメンはつけ麺やまぜそばなども展開していた