日本フードサービス協会は25日、2012年6月度の外食産業市場動向調査の結果を発表した。それによると、6月の外食産業の売上高は前年同月比2.6%増と、2カ月ぶりに増加したことが分かった。6月度有効回収の事業者数は216社、店舗数は3万2,049店。

6月の外食産業市場全店データ

売上高が増加に転じた理由は、土曜日が1日多かったことにより、ファミリー層が対象の店舗の売り上げが増えたほか、ファーストフード業態を中心に、新商品・季節メニューの投入や販促キャンペーンなどが効果を上げたことが大きいと考えられる。しかし、地方によっては大雨や台風などの影響を受けた店舗も多いという。

業態別に見ると、ファーストフード業態の全体売上高は、前年同月比3.1%の増加。このうち、洋風は値頃感のあるメニューへの注力や夏メニューの販売などで、客数が前年同月比5.6%増、売上高は同2.6%増となった。ただし、客単価は同2.8%減少している。

和風は、高価格の新メニューの投入により、客単価が前年同月比2.5%増加した。さらに、客数も新規出店効果などで前年を1.4%上回り、売上高は3.9%増となった。麺類は、好調を維持しており、売上高は同7.7%増加。持ち帰り米飯・回転寿司は、価格均一キャンペーンなどが影響して客単価が若干下回ったものの、客数が伸びて売上高は同1.9%増となった。

ファミリーレストラン業態の全体売上高は、前年同月比2.8%の増加。洋風は、地方により大雨・台風などの影響を受けて売上高が同1%減少したが、中華は、出店効果などで売上高は同3.3%増えている。焼き肉の売上高は同25.8%と大幅に増加。昨年来の風評被害が払拭されつつあり、客数も一昨年の水準まで回復しつつある一方、ファミリー層の客足の戻りが鈍いとの懸念もあるという。

パブ・居酒屋業態の全体売上高は、前年同月比0.3%の減少となったが、パブ・ビアホールは、新ドリンクメニューなどが好調で、客数が同6.4%増、売上高は同4.7%増加した。反対に、居酒屋は天候不順で客足が伸びず、売上高は前年より1.2%減少している。

ディナーレストラン業態の全体売上高は、前年同月比4.5%の増加。高価格業態の特長を生かしたメニュー提供や1日多い休日数、キャンペーンなどの効果があったと見られる。一方、法人需要のあるビジネス街では売上減となった店舗もあるとのこと。

喫茶業態は、新メニューの投入で客単価は前年と比べて1%増加したが、台風や例年より低い気温などの影響で、売上高は前年から1%減少した。

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