兵庫県加古川市の「刀田山 鶴林寺」は、国宝太子堂創建900年を記念して、新宝物館をオープンする。10月6日(土)~11月25日(日)の期間中は、60年に一度しかご開帳されない「本堂秘仏本尊薬師如来・太子堂」の特別参拝のほか、至宝の宝物を一挙公開する特別展が開催される予定だ。

「太子堂」は再建900年となる兵庫県最古の木造建築(国宝)

国宝太子堂は、天永3年(1112年)に再建されたと伝えられ、今年900年を迎える兵庫県で最古の木造建築物。本堂秘仏は、本尊薬師如来、日光菩薩、月光菩薩、持国天、多聞天の5体(いずれも重要文化財)で、60年に一度しか開帳されない秘仏である。

平成9年(1997年)に定期開帳があったため、通常では平成69年(2057年)まで開扉されないのだが、太子堂900年記念事業の新宝物館開館にあたり、本尊薬師如来は国宝本堂の厨子内で、他の4体は新宝物館で、それぞれ特別に開帳されることになった。

さらに鶴林寺では「新宝物館開館記念特別展」も合わせて開催。「あいたた観音」(金銅聖観音像を泥棒が盗み出し壊そうとしたら「あいたた」という声が聞こえてきたため、改心したという逸話がある)をはじめとする鶴林寺に伝わる文化財のうち、重要文化財に指定されている仏像や画幅など至宝の宝物を一挙に公開し、加えて新たに完成した「太子堂内壁画彩色模写の柱絵や板絵」を組み立て、太子堂須弥壇を再現、展示する特別展だ。

今秋オープン予定の新宝物館

同館で展示される主な宝物は、特別展示期間のみ展示の日光菩薩、月光菩薩、持国天、多聞天のほか、聖観音像(あいたた観音)、楽太鼓縁、釈迦三尊像、十一面観音像、髹漆厨子(きゅうしつずし)、聖徳太子画像、聖徳太子絵伝(全八幅)、太子堂仏天蓋、鶴林寺扁額の重要文化財、四天王像、如意輪観音像、恵便法師像、千手観音像、大黒天像、毘沙門天像などである。

なお、同期間中、10月21日(日)に「聖徳太子報恩法要・稚児行列」、10月27日(土)に「十三夜観月会」、11月4日(日)に「慶讃大護摩供・稚児行者」などの慶讃イベントも開催される予定だ。

特別拝観料は、入山料500円(小中学生200円)のほか、本堂秘仏拝観・太子堂内陣特別拝観1,000円(中学生以下は無料)、新宝物館拝観料500円(小中学生200円、ココロンカード提示で無料)、すべて拝観する場合は共通券1,700円もある。

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