イギリスBBCによるテレビドラマシリーズ『SHERLOCK/シャーロック』より

19世紀後半にイギリスの作家アーサー・コナン・ドイルによって生み出されて以降、名探偵の代名詞的な存在として人気を集めてきたシャーロック・ホームズ。ギネスブックによれば、過去もっとも多く映像化された小説のキャラクターとのこと。実際、これまでに正統派ミステリーからパロディまで膨大な数の映像作品がつくられており、名だたる俳優たちによってさまざまな“シャーロック・ホームズ”が演じられてきた。ここでは、そのなかからホームズの意外な一面を楽しめる傑作を厳選してご紹介しよう。

ネス湖の未確認動物ネッシーが登場する作品も

数あるシャーロック・ホームズ作品のなかでも異色作として知られるのが、『失われた週末』や『情婦』などの巨匠ビリー・ワイルダー監督による1970年の映画『シャーロック・ホームズの冒険』だ。ワトソンの死後50年たって公開されたエピソードに基づくという設定で、原作にないオリジナルのストーリーが展開される。天才的な探偵として事件を解決するホームズというよりは、弱みを持ち失敗もする人間的なホームズに重点を置いて描かれているのがユニーク。作中では、ホームズやワトソンがネス湖の怪獣ネッシーに遭遇する場面も! ちなみに、本作はもともと4時間の大作として制作されたものの、興行的な理由から2時間ほど削られてしまった経緯を持つ。にもかかわらず見応えのある作品に仕上がっている。

異色作と言えば、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務め、名匠バリー・レヴィンソンが監督した1985年の『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』も忘れられない。若かりし頃のホームズの活躍を描いた作品で、インディ・ジョーンズばりの冒険活劇が繰り広げられる。アクションや視覚効果が派手な反面、謎解き要素は弱めなので物足りなさを感じる人もいるかもしれないが、ワトソンやレストレード刑事、モリアーティ教授といったホームズ作品に欠かせないキャラクターの若い頃を見ることができるのは貴重。子供心にかえってワクワクしながら楽しみたい作品だ。

女装するホームズやスマホを駆使するホームズも登場

アクション要素が強いホームズ作品なら、2009年にシリーズ第1作が公開されて世界的に大ヒットしたガイ・リッチー監督の『シャーロック・ホームズ』シリーズもぜひチェックしておきたい。ロバート・ダウニー・Jrが演じる肉体派のホームズは、これまでのホームズ像とは180度異なるが、クセがあって非常に魅力的。ストーリーもコナン・ドイルの原作にはないオリジナルだが、ワトソンやモリアーティはもちろん、アイリーン・アドラーなどの人気キャラクターはしっかり登場する。シリーズ2作目の『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』では、な、なんとホームズが女装するシーンも! さらには、あの手この手でワトソンの結婚をジャマするなど、長年シャーロキアン(ホームズの熱狂的ファン)たちの間で議論の的になってきたホームズのゲイ疑惑を匂わせる場面が描かれているのもおもしろい。

イギリスBBCによるテレビドラマシリーズ『SHERLOCK/シャーロック』より

ここまで紹介してきた作品は、いずれも19世紀末~20世紀初頭のイギリスが舞台になっている。しかし時代背景が変われば名探偵の役割や社会的位置づけも変わってくるはず。そこで「もし現代にシャーロック・ホームズが生きていたら?」というアイデアを元に制作されたのが、イギリスBBCによるテレビドラマシリーズ『SHERLOCK/シャーロック』だ。同作のホームズはスマートフォンやパソコンを駆使して犯人に迫っていくところが斬新。しかもワトソンはブロガー。宿命の敵モリアーティも今までにない人物像で、初めてホームズの前に姿を現すシーンでは驚かされること間違いなし。ちなみにテレビドラマといっても1話約90分あり脚本や俳優の演技のクオリティも非常に高いため、映画作品に負けない見応えがある。ファーストシーズンは、「緋色の研究」を元にした「ピンク色の研究」など全3作だが、いずれも原作ファンでも楽しめる傑作ばかり。ぜひDVDやBlu-rayで楽しんでほしい。

■info『SHERLOCK/シャーロック』のDVD&Blu-ray BOX

製作総指揮・企画 スティーヴン・モファット、マーク・ゲイティス
出演 ベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、ルパート・グレイヴス、ウーナ・スタッブズ
価格 DVD-BOX:\9,975、Blu-ray BOX:\12,495
発売・販売 角川書店

7月6日(金)DVD&Blu-ray BOX リリース!

(C)Colin Hutton(C)Hartswood Films 2010 John Rogers(C)Hartswood Films 2010