日の丸自動車興業が運行するスカイバス東京はこのほど、2階建てオープンバスによる新しい観光バスサービス「スカイホップバス」の運行を開始した。フリー乗車券を購入すれば、どの停留所でも乗降可能。路線バスのような巡回バスで、1人でもチケットを購入できる。観光アテンダントが風景や名所を案内するほか、3カ国に対応する音声ガイドシステムを搭載する。

スカイホップバスで使われるバス。写真左は2階建てオープントップタイプ、右は雨天時用のスケルトンバス(ガラス屋根)。その他、2階建て幌付きタイプがある

同社は2004年9月から、2階建てオープンバスの定期観光バスを4コース運行している。各コースとも東京駅丸の内口近くの三菱ビル前を出発し、都内を周遊して三菱ビル前に戻ってくる。新たに運行する「スカイホップバス」は路線バス方式で、コース上に数カ所の停留所を設定し、自由に乗降可能とする。

写真左がスカイホップバス仕様で、右が従来の定期観光バス仕様。車体は同じで、スカイホップバス仕様にはロゴマークや「乗り降り自由」の表記が追加されている

開放感のある2階席(写真左)。英語・中国語・韓国語のGPS付き案内システムを搭載。バスの運行地点に対応したガイド放送を聞ける

運行ルートは「浅草・東京スカイツリーコース」「お台場コース」「六本木・東京タワーコース」の3つを設定した。すべてが丸の内三菱ビルを発着するほか、ルートが重なる停留所で乗換えも可能とのこと。バスの運行時間は10時から20時までで、1時間間隔で走らせる。「浅草・東京スカイツリーコース」は土日祝日に限り30分間隔に増便する。

テープカットの様子。写真左から日の丸自動車興業代表取締役の富田浩安氏、国土交通省官公庁総務課企画室長の藤田礼子氏、東京都議会議長の中村明彦氏、国土交通省関東運輸局長の神谷俊宏氏、「大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会」会長の福澤武氏、千代田区観光協会会長の高木茂氏・日本バス協会理事長の藤井章治氏

運行開始を前に行われた記者発表会では、テープカットに続き、「浅草・東京スカイツリーコース」の試乗会も実施。屋根のないバスは頭上の景色が特徴で、道路案内標識が意外に大きかったり、交通信号機の裏側のメーカー名が見えたりと、従来の観光バスとは異なる風景を楽しめる。鉄道の高架下を潜るときは迫力満点だ。また、三越など歴史のあるビルの上層階には彫刻が施され、かっぱ橋や秋葉原ではユニークな看板があるなど見どころも多い。

コースが重なる停車場で乗換え可能

乗車券のイメージ。1日券は最初の乗車から24時間有効、2日券は48時間有効

出発してすぐ、復原された東京駅丸の内駅舎を眺める

高架橋ギリギリを通過

日本橋。日本の道路の起点の頭上にはこんな飾りがある

このコースのハイライトはなんといっても東京スカイツリー。停留所で降りて、好きな時間だけ東京スカイツリーや周辺を楽しみ、再びバスの旅を続けられる

かっぱ橋道具街のシンボルをバスから眺める(写真左)。秋葉原電気街を堂々と進行。歩行者天国のときは西側の昌平橋通りを迂回するという。バスの窓上にはLED照明を配置し、夕景を妨げない程度に手元を照らす

チケットは1日券(大人1,800円、小人900円)と2日券(大人2,500円、小人1,200円)の2種類。当日有効ではなく、1日券は24時間、2日券は48時間有効となる。たとえば15時から乗車した場合、1日券なら翌日の15時、2日券なら翌々日の15時まで使用できる。チケットの販売場所は丸の内三菱ビルチケットカウンター、とうきょうスカイツリー駅前営業所など。バスの車内でも購入可能なため、実質的にどの停留所からでも利用開始できるという。

コース名 停留所 所要時間
浅草・東京スカイツリーコース 丸の内三菱ビル - 日本橋三井記念館(三越) - 秋葉原(末広町) - 東本願寺前(かっぱ橋道具街入口) - とうきょうスカイツリー駅前 - 駒形(雷門) - 上野松坂屋 - 秋葉原(末広町) - 新日本橋駅(三井タワー・三越) - 丸の内三菱ビル 約1時間40分
お台場コース 丸の内三菱ビル - 東京タワー - フジテレビ(ダイバーシティ東京プラザ) - アクアシティお台場 - ヴィーナスフォート(パレットタウン) - 東京ベイ有明ワシントンホテル(東京ビッグサイト) - 豊洲(ららぽーと豊洲) - 築地・銀座(築地市場・歌舞伎座) - 丸の内三菱ビル 約2時間40分
六本木・東京タワーコース 丸の内三菱ビル - ホテルニューオータニ - 東京ミッドタウン - 六本木ヒルズ - 東京タワー - 丸の内三菱ビル 約1時間10分