内閣府はこのほど、Webサイトで「2012年版(平成24年版)子ども・若者白書」を公開した。同白書では就労に関する意識調査を実施し、その結果を同白書の中の特集「若者の仕事観や将来像と職業的自立、就労等支援の現状と課題」として公開している。

意識調査は、2011年12月~2012年1月の期間にインターネット上で行われ、全国の15歳~29歳の男女3,000名(男性1,500名、女性1,500名)から有効回答を得た。

それによると、何のために仕事をするのかとの質問に対しては、「収入を得るため」が63.4%、「自分の生活のため」が51.0%と、これら2つの回答が半数以上のポイントを獲得。以下、「自分の夢や希望を叶えるため」が15.0%、「家族の生活のため」が12.6%、「仕事を通して達成感や生きがいを得るため」が11.3%となった。

働くことに関して、現在、または将来どのようなことが不安かと聞くと、「不安」(「とても不安」と「どちらかといえば不安」の合計)の割合が最も高かったのは「十分な収入が得られるか」で82.9%。次いで、「老後の年金はどうなるか」が81.5%、「きちんと仕事ができるか」が80.7%と続き、収入や老後の年金、景気動向といった経済的な不安を感じている傾向が高いことが分かった。

働くことに対する不安(出典:内閣府Webサイト)

働いている人を対象に、現在の仕事を選んだ理由を尋ねてみると、「自分の好きなことができる」が最多で32.5%。以下、「安定していて長く続けられる」が24.9%、「どこでもよかったが、ほかにやりたいことがなかった」が24.2%となった。

反対に、働いていない人(学生除く)を対象に、その理由を質問したとろ、「希望する業種・職種での採用がなかったから」と「病気等のため」が最も多く共に14.7%。次が「どこにも採用されないから」で12.6%となり、「働くのが嫌だから」と答えた人も10.0%に上った。

現在働いていない理由(出典:内閣府Webサイト)

将来の自分の姿について、「とてもそう思う」と「まあそう思う」を合わせた「そう思う」の割合が最多となったのは「親を大切にしている」で77.3%。以下、「幸せになっている」が72.5%、「子どもを育てている」65.3%、「自由にのんびり暮らしている」が52.4%と続いた。一方、「世界で活躍している」は18.3%、「有名になっている」は15.8%にとどまっている。

また、海外での就労意向を聞いたところ、「全く出たくない」(30.1%)と「あまり出たくない」(24.6%)を合わせると、54.7%が「出たくない」と思っていることが判明。それに対して、「とても出たい」(12.2%)と「少しは出たい」(26.0%)を合わせた「出たい」の割合は38.3%だった。

働くことの悩みなどについて、誰かに相談したことがあるかと尋ねると、最も多かったのは「親」で45.0%。次いで、「周りの友人(インターネットで知り合った友人を除く)」が33.5%、「恋人・配偶者」が20.9%、「兄弟・姉妹」が11.9%、「学校等の先生」が10.8%となった。また、「誰にも相談していない」との回答も36.5%に上った。

働くことを支援する公的な相談機関などで知っているものとしては、「ハローワーク」が圧倒的に多く90.0%。以下、「職業訓練支援センター」が28.9%、「ジョブカフェ」が24.3%と続いた。一方、「地域若者サポートステーション(サポステ)」は1割に満たない6.8%にとどまったが、「いずれの仕事もしていない」層では認知している割合が14.6%と相対的に高かった。

キャリア教育・職業教育については、25.0%が「受けたことがある」と回答。職場体験・インターンシップについては、「受けたことがある」と答えた人は37.6%に上った。

このほか、職業を選ぶ際にどのような支援があるとよいかとの質問に対しては、「試験や面接に対する助言指導」(43.5%)、「職場体験・インターンシップ」(43.4%)がほぼ同ポイントで高い支持を獲得、以下、「適性診断の実施」が39.5%、「会社説明会」が36.0%と続いた。

【関連リンク】

職業体験イベント参加の小中学生の半数が「今後の考え方や進路に影響」

小・中学生の子供を持つ母親の4割「子供が将来一人立ちできるか不安」 - ベネッセ

中学生の7割が将来に不安、目指したい年収は"500万円以上600万円未満"最多