この中止はレディー・ガガ自身はもちろんだが、 観客の安全にも配慮したもの (C)BANG Media International

レディー・ガガが開催中のワールド・ツアー「ボーン・ディス・ウェイ・ボール」のインドネシア・ジャカルタ公演が中止となった。

5月上旬より、強硬な過激派団体イスラム擁護戦線(FPI)が、そのセクシーな衣装とダンスが国の若者たちを堕落させると猛抗議しており、ジャカルタ公演の中止が危惧されていたレディー・ガガ。同団体は彼女を「悪魔の使い」とも呼んでおり、もしガガが入国するようなことがあれば、空港で数千人規模のデモも辞さないと明言していた。

コンサート主催者のビッグ・ダディー社のミノラ・セバヤン弁護士は「残念なことです。でも脅迫がある中でのコンサートであれば、レディー・ガガ側としてキャンセルさせますよ。これはガガの安全の問題だけではなく、ガガを見に来る観客にも及ぶものだからです」と証言している。

一方、FPIのサリム・アラタス氏は「今回の決定は、インドネシアのイスラム教徒にとっての勝利です。悪魔のようなものから私たちをお守りになった神に感謝を捧げます」と声明を発表した。

しかし、公演チケットの払い戻しを受けたファンたちは不満を感じており、今回の一件でガガがとてもひどい扱いを受けてきたと思っているようだ。その内の1人、25歳のジョニー・プルバは「今回の騒動は、この国の警備がいかに脆弱で、警察が強硬派団体をいかに怖がっているかを世界に晒しただけなんだ。ガガの2時間のコンサートが、インドネシアのイスラム教徒にマイナスの影響を与えたりしはしない。ガガはテロリストなんかじゃないんだ」と不満を顕わにした。

また、当のガガも「ジャカルタの状況には2つの問題があるわ。インドネシア警察当局は公演の内容を検閲するように要求するし、さらに、過激な宗教団体が暴力で脅迫の姿勢を見せているのよ。もし公演がスケジュール通りやれるなら、この公演を1人でやるわ」とツイートを残している。

(BANG Media International)