――それでは先ほどから話に出ているPVのお話を聞きたいのですが、かなり踊ってますよね

喜多村「踊ってますね(笑)。私、歌って踊るという経験がほとんどなくて、イベントなどで少しやってみたことはありますが、PVを撮るとなるとこれが大変で……。ただ、自分が踊りもやりたいですって最初に言っちゃったので、意地というほどではないですが、頑張って踊ってみました」

――なぜ言っちゃったんですか……

喜多村「曲を聴いて、思い浮かんだ映像がダンスだったんですよ。それで、チカチカした目まぐるしい感じのPVにしたいと、レコーディングのときから思っていて、そのイメージをそのままお伝えして、できあがったのが今回のPVです。なので、ダンスの振り付けにもけっこうリクエストを出していて、たとえば、『Happy Happy Girl』のところは、ライブを観ている人が誰でもできるような振りにしてくださいとか、そんな感じでいろいろとお願いしました。言うだけならタダなので(笑)。できあがったダンスには、自分でもやってみたい動きが入っていたので、撮影自体は大変でしたけど、楽しかったです」

――ちなみに踊るのは好きですか?

喜多村「実は小学校の6年間、ジャズダンスをやっていたんですよ。ただ、猫背すぎて、辛くてやめたんですけど(笑)」

――やめた理由は猫背ですか?

喜多村「ジャズダンスって、最初にバレエみたいにバーを使ってストレッチをやるんですけど、それが辛くて(笑)。踊る前が一番辛くて、結局6年間やってやめたんですけど、そのときの経験があったから、今回ちゃんと踊れたのかなって。上手いかどうかと言われたら、決して上手くはないと思いますが、一生懸命に踊らせていただいていますので、PVを観て、いいなって思う方が1人でもいらっしゃればうれしいです」

――レコーディングもPVの撮影もかなり大変だったみたいですね

喜多村「本当に必死になって作り上げた楽曲なので、1人でも多くの方に『この曲いいね』って言ってもらいたいです。正直なところ、ここまで作品に歩み寄って、努力して、チャレンジして、自分の中にないもの、これまではあえてやらなかったことに挑戦した曲はほかにないので、そのあたりのことが意識されずに流されるよりは、賛否両論でもいいので、誰かに何かを考えさせるきっかけになってほしいなと心から思います。それぐらいに辛かった(笑)」

――それではカップリングの「ココロノリズム」についてお伺いしましょう

喜多村「『ココロノリズム』は私の好きなバンドサウンドですね。『Happy Girl』は、ストリングスも入っていますが、基本的には打ち込みで、楽器があまに前に出てこない楽曲なので、カップリングはドンドン音を前に出てくださいという感じで、とにかく音にこだわった作りになっています。歌詞は山崎(寛子)さんに書いていただいているのですが、女性の目線で、女性が聴いて共感できる感じに仕上げてもらいました。とはいえ、あまりスイーツスイーツした感じで、ミルクティーが出てきたりするような詞ではなく、もっと喜多村的な感じ、心情を掘り下げていくような方向で書いてもらっています」

――「Be Starters!」のカップリングに始まり、山崎さんも3枚連続の参戦ですね

喜多村「運命というほどではないですが、『Be Starters!』のカップリング『彩-sai-』以来、お互いにデビュー者同士という感じで、一緒にお仕事をさせていただいているわけですが、喜多村サウンドプロジェクトの中では今のところ唯一の女性で、年齢も近く、私と同じようにバンドサウンドや耽美な世界感が好きだったりもしますので、安心の意思の疎通って感じですね。タイアップがない分、『ココロノリズム』は喜多村らしさを出している曲で、たとえば『いたいよずっと』というところも、可愛くきめるだけじゃなく、私の持っている少しヒステリックぎみなところ、喜多村の心の叫びみたいな感じで歌っています。キタエリ節という意味では、『Happy Girl』よりも『ココロノリズム』のほうが強くなっていると思います」

(次ページへ続く)