東映は30日、2012年のラインナップ発表会を東京・千代田区の東京會舘で開催した。60周年のアニバーサリーイヤーにあたる今年は2本の記念作品をはじめ、力作揃いの顔ぶれとなった。本稿ではアニメーション作品、特撮作品を紹介する。実写映画作品については。別稿に譲る。そちらも合わせてご覧いただきたい。
創立60周年東映の2012年ラインナップは 力作、問題作揃い - 全作を完全紹介
『映画プリキュアオールスターズ New Stage みらいのともだち』
『プリキュアオールスターズ』シリーズ最新作。今回よりDXからNew Stageに変わり、新しい「オールスターズ」へと進化を遂げた。すべてを破壊し世界を闇に染めようとするフュージョンを相手取り、28人のプリキュアが一丸となって戦いに挑む。コンセプトは「女の子は誰でもプリキュアになれる」。
プロデューサーは「28人の女の子がよってたかって敵をボコボコにする……というだけの映画にはしたくなかったので、今回は趣向を変えて1人の女の子のために力を合わせて戦い、その子をこの映画だけに登場するオリジナルプリキュアとして誕生させるというストーリーになっています」と説明。
3月17日公開。
『映画 スマイル プリキュア!』(仮題)
2月5日よりABC・テレビ朝日系列で放送がスタートする『スマイルプリキュア!』が劇場版第13弾として今秋スクリーンへ登場する。舞台はおとぎの国「メルヘンランド」。絵本をモチーフに、世界を凶悪なバッドエンドで終わらせようとする敵と、いつも笑顔を忘れずチームワークでハッピーエンドをもたらしたい5人のプリキュアたちの戦いを描く。
10月公開。
『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』
2011年に仮面ライダー誕生40周年、スーパー戦隊は通算35作品に到達。そのアニバーサリーの翌年に当たる2012年にはすべての仮面ライダー、すべてのスーパー戦隊が集結する。
白倉プロデューサーは「歴代仮面ライダー全部出ますよ、歴代戦隊ヒーローすべて出ますよ、というフレコミの作品。東映は雁首揃えればいいと思われる向きもあるのではなかろうかと思いますが、それは必ずしも否定するところではございません」と潔く"オールスター"作戦を認めた。
しかし、「ネタに困ったから全部出して混ぜちゃえ、というわけではない」という。「仮面ライダーの40年、戦隊ヒーローの35作がペナントレースだったならば、これは日本シリーズだろう、というのが発想の原点。ライダーの続きとして戦隊が生まれ、混じり合ったことは未だありません。兄弟番組ではありますが現場のしきたりや敵の倒し方、思想も何もかも違う。その混ぜるな危険と言われていた両番組を掛け合わせる。番組の出演者同士が番組の垣根を越えて激突し、または融和し、共闘し、友達になっていく……その点はこのスーパーヒーロー大戦の大きな見どころとなっています」と、アピールした。
出演は井上正太、小沢亮太ほか。4月21日(土)公開。
『虹色ほたる ~永遠の夏休み~』
『ワンピース』シリーズディレクターを務めた宇田鋼之助監督のもとに、日本を代表するクリエイターが集結。テレビシリーズのスピンオフや漫画に原作を取る作品が多い中、日本のテレビアニメ業界をを牽引してきた東映アニメーションがまったくのオリジナル作品として打ち出す。
父親との思い出、昆虫採集、花火、夜店、子どもの友情、淡い初恋……懐かしい"日本の夏"、人と人との絆、美しい自然、そして生き生きとした少年少女の姿を圧倒的な映像美で描き出している。キャラクターデザイン・作画監督は森久司、音楽は松任谷正隆が務め、主題歌を松任谷由実が歌う。
5月19日(土)公開。
『劇場版 仮面ライダーフォーゼ 特命戦隊ゴーバスターズ』(仮題)
平成仮面ライダーシリーズ第13作目、変身ベルトが80万個と過去最高のセールスを記録するなど人気を博している『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)、2月26日にスタートするスーパー戦隊シリーズ36作目『特命戦隊ゴーバスターズ』。2大ヒーローがこの夏スクリーンに登場する。
ゴーバスターズは今回から「レンジャー」表記を外し、まったく新しい戦隊シリーズとしてデビューする。メカニックを前に出し、パイロットヒーローとしていろいろなメカに乗って戦うが、劇場版では海が舞台となるという。
出演は福士蒼汰、鈴木勝大ほか。8月公開。
『アシュラ』
室町時代後期、相次ぐ災害で荒野と化した京都にケモノとして産み落とされた少年"アシュラ"。ひとりの少女によって魂を救済され、やがてアシュラは絶望の淵にいる人々を安寧へと導く高僧となる……。ジョージ秋山の同名原作コミックはその壮絶な内容から映像化は絶対に無理だと言われてきたが、今回『TIGER & BUNNY』の監督を務めたさとうけいいちが決意の映画化。
北大路欣也にオファーをしたとき、2週間ほど経ってプロデューサーが呼び出しを受けたという。「どうして忙しいときにこんな脚本を読ませるんだ、と怒られるかなと思ったんですが、手を取って迎えてくださって『こういう作品がやりたかったんだよ』と快諾していただきました」(池田プロデューサー)。「野沢雅子さん、北大路欣也さんという声優、俳優それぞれの大御所がぶつかり合って……。自然と他の作品では主役を張る豪華な声優さんたちが集まってくれました」。
現在ダビング中だという本作を初めて観るスタッフは皆泣くという。「原作を知っているのは50代くらいですが、初見で観る若いスタッフが泣くのを見て、あ、これはうまくいくなと思いました」と出来に手応えを感じているようだ。
出演は野沢雅子、北大路欣也、林原めぐみ、玄田哲章、島田敏、山像かおり、山口勝平、水島裕ほか。脚本は高橋郁子。今秋公開。
『ワンピース フィルム』(仮題)
『ONE PIECE』の劇場版最新作。原作者・尾田栄一郎を総合プロデューサーに迎え、原作の世界観を忠実に映像化。
「ルフィは5万人の敵を一瞬で倒せるくらい強くなってしまっているんですが、それをも苦しめるくらい圧倒的な敵が出てきます。敵の造形や戦い方はもちろん、企画の立ち上げの段階から宣伝の方法まで尾田さんの意見を取り入れて製作しています」(担当プロデューサー)。今後、尾田氏発の様々なプランが続々発表されていくという。12月公開。
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