俳優の染谷将太と女優の二階堂ふみが14日、東京・新宿バルト9で行われた、映画『ヒミズ』の初日舞台あいさつに出席した。

左から、園子温監督、染谷将太、二階堂ふみ 拡大画像を見る

舞台あいさつには、園監督も出席し「初めての原作モノなので、ストーリーに忠実に、セリフも変えてません」とPR。「早くこの作品を皆さんに見ていただきたかった」と公開を喜んだ染谷は「監督にはやりたい事をやっていいと言われてて、そんな雰囲気を作ってくれました。その場、その場で演出を考えていくことに刺激を受けた」と撮影を振り返り、二階堂は「崖から落ちそうなギリギリの感覚でお芝居をやっている感じが面白かった」と熱弁。撮影終了後も役が抜けなかったそうで、「クランクアップが朝で、そのまま学校に行ったんですが、事故に遭いそうになりました」とエピソードを明かした。

映画『ヒミズ』は、『ヤングマガジン』(講談社刊)で連載された古谷実の同名コミックが原作の青春感動作。『冷たい熱帯魚』などで知られる園子温が監督を務め、第68回ヴェネチア国際映画祭では、染谷と二階堂が日本人初の快挙となる最優秀新人賞をW受賞した。15才の住田祐一(染谷)は、衝動的に父親を殺してしまったことをきっかけに、唯一の願いであった"普通の人生を全うすること"を諦め、世間の悪党を殺していくことを決める。未来を捨てることを選んだ住田に恋心を抱く茶沢景子(二階堂)は、彼を救おうと奔走するが――というストーリーで、映画は全国公開中。

染谷は二階堂について、「茶沢は住田にとって、すごくムカつく奴なんです。(撮影合い間の)控室でも二階堂さんがちょっかい出してくるんで、正直イライラしてました(笑)」とチクリ。それを聞いた二階堂が不満げに、「覚えてません。私は常に真面目に取り組んでましたよ」と否定すると、染谷は「こういう人なんですよ……。嘘じゃないので、メイキングを観て下さい!」と必死でアピールして笑わせた。また、撮影中に園監督が、"染谷45点、二階堂4点"という点数を付けていたそうだが、「満点付けようかと思ったけど、まだピークじゃないので」と改めて"染谷65点、二階堂64点"と高得点を付けると、2人は「うれしいです」と笑顔。園監督は「謙虚かつ大胆な2人でしたね。映画の中の2人は満点です。星空のように輝いてる。まだまだ大きく自由に、自分の可能性を信じて成長していって欲しい」とエールを送っていた。