――初回生産限定盤と通常盤に収録されている「HANDS & SMiLE」はLiSAさんの作詞ですが、曲調は、今回の収録曲の中ではかなりポップな感じですね

LiSA「最初に曲を聴いたときのイメージは『夏』。夏の海で騒ぎながら、スケボーとかしているような感じだったんですよ。ウェスト、西海岸的な感じですね(笑)。でも、冬に発売されるのに海……というのもあまりふさわしくないので、じゃあ冬といえばクリスマスみたいな感じだったんですけど、でもやっぱりクリスマスよりは"青空"といったイメージが強かったので、季節感はあまり意識せず、"青空"というイメージをメインにして、そこから明るいメッセージが伝えられたらいいなと思いました」

――タイトルの『HANDS & SMiLE』にはどういった意味を込めていますか?

LiSA「たとえば悲しいことがあった人でも、ずっと『私、悲しいです』オーラを出しているわけではなく、悲しいことがあっても、仕事があったり、いろいろな人と接したりしながら、ムリに笑っている人ってたくさんいると思うんですよ。そんな人に対して、自分に何ができるのかって考えたときに、話を聞いてあげることもできるのですが、私が話を聞いたところで、その人の痛みは100分の1ぐらいしかわからない。その人が感じた痛みは本当はもっと大きいのかもしれないけど、私はその人ではないので、話を聞いただけでは絶対にわからない。だったら私がそばにいて、一緒に遊んだり、笑ったりできる時間を作ってあげるほうが大事なんじゃないかなって。この「HANDS & SMiLE』は、そういったときに、相手の手を取って、一緒に笑おうよっていう曲になっています」

――この曲の詞を書くにあたって、LiSAさんならではこだわった部分はありますか?

LiSA「私が書く詞はすごくストレートなので、たぶんすぐに背景が思い浮かぶと思うんですよ。先ほどもお話しましたとおり、MVのような絵を先に思い描いて、そこから言葉を綴っていってしまうので。でも、そんな中で一番大事にしたのは最後のサビの前の『戸惑った 出来事 気付けばほら』のところで、悲しい経験も全部笑えるし、笑っていればキラキラして、寂しかったことも傷ついたことも、いつかは自分の背中を押してくれる。そんなメッセージをここにすごく込めています」

――今回、3枚のCDに計4曲が収録されていますが、歌ってみて一番難しいのはどの曲ですか?

LiSA「『oath sign』です」

――即答ですね

LiSA「はい(笑)。この曲は、きっとカッコよく歌い上げることもできると思うのですが、やはりそれは私の役目ではないと思うんですよ。すごくカッコよく歌い上げる曲が似合う人はたくさんいらっしゃいますが、今回は私がこの曲をいただいて歌うことになった。それなら、どんな風に歌うべきなのかということを考えたとき、とにかく感情を大事にしたい、表現の中でも感情を大事にして、エモーショナルに歌いたいと思いました。ライブで歌うときも、すごく体力がいる曲で、サラって歌える曲じゃない。ひとつひとつの言葉に感情を込めていくだけで、すごく体力がいりますし、さらに1番と2番の間に間奏などもないので、ずっと続けて歌わなければならない。体力的にもそうですし、感情の面でも表現するのがとても大変な曲ですね」

――イベントなどで実際に歌ってみていかがでしたか?

LiSA「一人でスタジオで歌っていたときのほうがしんどかったですね。皆さんの前で歌うときは、うまく歌おうという気持ちよりも、とにかく感情のほうが前に出てきますから(笑)。実際に私が歌っているのを観た人から、『カッコよかった』って感想をいただけたのが、一番うれしかったです」

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