園子温監督の最新作『ヒミズ』が、8月31日より開催される第68回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されることが28日、明らかになった。

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『愛のむきだし』(2009年)がベルリン国際映画祭出品、『冷たい熱帯魚』(2010年)がヴェネチア国際映画祭出品、『恋の罪』(2011年)がカンヌ国際映画祭出品と世界的に評価が高い園子温作品が再び快挙を遂げた。世界3大映画祭のコンペ部門への出品は初となり、第68回ヴェネチア国際映画祭に出品される日本映画は同作のみ。最高賞である金獅子賞受賞への期待も高まる。

園監督は「今回、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に選ばれて光栄に思います」と喜び、「撮影の前に、大震災、原発事故が起きて、それまで書いていたシナリオを書き変えなくては、ならなくなりました。どうしても今、この現実を映画の中に取り入れて、撮っておかなくてはいけないと思いました。たった今、目の前で起きている本当の世界に即して映画を撮るというのは、非常に生々しく、大変な事でありました。これは恐ろしい現実と向かい合う少年と少女の物語です」と作品への思いを語っている。

(C)「ヒミズ」フィルムパートナーズ

また、主演の染谷将太は「ヴェネチアのコンペに呼んでいただき、大変名誉であり、大変嬉しい気持ちです。撮影現場では見えない魔物と戦っていて常に興奮していました。その興奮が、この喜びにつながったことに感動しています。1人でも多くの方々に見ていただけたら幸せです」とコメントを寄せている。

『ヒミズ』は、2001年より『週刊ヤングマガジン』で連載された、古谷実によるコミックの実写映画。ギャグ漫画『行け! 稲中卓球部』で人気を博した古谷が作風を一転し、若者の暗部を抉るダークなストーリーに挑戦した問題作。2012年の春にシネクイントほかで全国順次公開の予定。