ダウンタウンの松本人志が監督した映画『さや侍』(6月11日公開)のプレミア上映会が6日、東京国際フォーラムで行われ、松本人志監督をはじめ、主演の野見隆明、熊田聖亜、板尾創路、りょう、國村隼らが出席した。

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同作は、無断で脱藩した罪で捕らえられた武士の野見勘十郎(野見隆明)と娘のたえの親子関係を軸に、変わり者の殿様(國村隼)によって、一日一芸で30日の間で若君(清水柊馬)を笑わせたら無罪放免という「三十日の業」に挑む勘十郎の姿を描く。勘十郎役の野見隆明は、フジテレビのバラエティー番組『働くおっさん人形』、『働くおっさん劇場』に出演した素人で、松本の強い意向で大抜てきされた。

松本監督は「正直言うと疲れましたね。ここまでくるまでに色々あったのでヘトヘトといったところです」と完成までの苦労をにじませた。8月に開催される「第64回ロカルノ映画祭」への上映が決定し、『大日本人』もハリウッドでリメイクされることになり、海外での評価が高まっていることについては「僕が面白いと思うことを、世界を絡めながらできるのがうれしいですね」と喜んだが、「日本での評価がまだちょっと低いかなぁ……」ともこぼした。その理由を「映画を壊してやろうという気持ちから(映画作りを)始めたんです。海外では"下手ウマ"ですんなり受け入れられたんでしょうけど、僕のことをよく知り過ぎている日本の人には"下手ヘタ"と思われていたんでしょうね」と分析。それでも「今回で見方を変えてもらえるかなと思っています」と自信を見せた。

前列左から、りょう、松本監督、熊田聖亜、野見隆明、國村隼、後列左から、腹筋善之介、柄本時生、板尾創路、ROLLY

松本監督は「ハリウッド版の『さや侍』なら、野見勘十郎をジョニー・デップ十郎でやったらいいんじゃないか(笑)」とジョニー・デップ主演をほのめかし、早くも同作のリメイクに乗り気?

また、演技経験のない野見との撮影について松本監督は「前半は"ドッキリ"で、映画を撮っているということも教えていなかった。台本も撮影が終わってお疲れさまですと言いながら渡しましたから(笑)」と明かした。これを受けて野見は「何も知らされずに一生懸命やるだけでした。切腹のシーンは必死で、前日から気合が入っちゃいました!」と独特のテンポで語り、出席者は爆笑。ただ、「後半の野見さんの表情は打算ではできないですね。ゾッとした」(腹筋)、「野見さんが初めてしゃべるシーン、欲が全然ないのがすごく素敵でした」(柄本)、「野見さんが大砲から飛び出すシーンが素晴らしかった」(ROLLY)とそれぞれが印象深かったと話し、存在感を示していた。