Disc1 M-08 恋の構造
[2004/09/23 4thシングル収録]

――8曲目の『恋の構造』は、今回のベストアルバムではPVも収録されています

新谷「実はこの『恋の構造』が初PVなんですよ。それまではCMでも、ジャケ写の撮影中に撮ったメイキングのようなものを編集して使っていました」

――PVを撮ることが決まったときはいかがでしたか?

新谷「最初、PVを撮る意味がわからなかったんですよ。声優・新谷が歌っているものにPVをつける意味がよくわからず、どうしようかなってすごく考えた挙句、ドラマ付きのPVにしました。ショートドラマ仕立てのロングミュージッククリップらしいです(笑)」

――PVにドラマが入っているんですね

新谷「ちゃんとお芝居をしているんですよ(笑)。残念ながらベストアルバムに収録されているPVではドラマ部分がカットされているのですが、実は歌の前に一通りドラマが入っています。実はこのPV、ドラマから観ないとよくわからない作りになっているんですよね。その後に作った『Wonderstory』も同じような形で作っているのですが、こちらは音楽部分だけを観ても通じるんですよ。でも、『恋の構造』は最初から観ないと、よくわからないかもしれません」

――ちなみにドラマはどういった内容なのでしょうか?

新谷「私がちょうどこのころに考えていたことなんですけど、声優・新谷良子と普段の新谷良子にすごく差があるような気がしていたんですよ。『ギャラクシーエンジェル』に出て、ほかのアニメにも出て、そして歌も歌っている新谷と、家でボケーっとしている新谷とが、違いすぎていてすごく気持ち悪いなって。そんな2人がPVの曲部分の途中で出会い、そして融合する。そんな感じのPVになっているので、曲の部分だけを観ると、何かよくわからないかもしれないですね」

――その声優・新谷良子と普段の新谷さんとのギャップのようなものは今でも感じますか?

新谷「今は……やっぱりまだあるかな。ただ、このころほどの違和感はないですね。うまく自分の中で整理が付けられるようになってきたので。でも、この頃は本当にどうしていいのかわからなかったですね」

4thシングル「恋の構造/トリックスター」のジャケットイメージ

Disc1 M-09 トリックスター
[2004/09/23 4thシングル収録]

――続く9曲目には『トリックスター』が収録されています

新谷「『トリックスター』は、『恋の構造』のカップリングですね。一応両A面という扱いだったんですけど、なんで両A面だったんだろう……。タイアップもついていないのにね(笑)。たぶん、カップリングというにはもったいない曲ができたので、『じゃあ両A面で』みたいな話だったような気がします。『トリックスター』は今でもライブで歌う曲なんですけど、これからのバンビポップを位置付けたような曲ですね。『ワガママ date show』をすごく変化させつつも、その雰囲気は残す、そんな感じの曲に仕上がっています。この曲はレコーディングがすごく大変だった記憶があります」

――『トリックスター』はすごく難しい曲ですからね

新谷「『ファンシー☆フリル』の1曲目に入っていた『Trip into Tiny Peace!』も同じような感じの曲なのですが、それよりも全然速くて、しかも歌う場所がすごく多い。なので、すごくレコーディングに時間がかかりました。でも『トリックスター』は歌っていてすごく楽しい曲です」

――ライブなどでも盛り上がる曲ですよね

新谷「そうですね。この後に出したアルバム(『空にとける虹と君の声』)で、『Trickstar's next Trick』という続編にあたる曲を作ったぐらい人気のある曲で、ライブでもすごく盛り上がります。この頃からあったんだ、『トリックスター』って……」

(次ページへ続く)