CS映画専門チャンネル「ムービープラス」では、2月13日に映画特集番組『第83回アカデミー賞ノミネート&ファッション』を放送。映画コメンテーターのLiLiCoと俳優の中野裕太が先日発表されたばかりのノミネート作品や、過去のレッドカーペットでのセレブのファッションについて解説する。今回、番組に出演する中野裕太に映画・ファッションについてや番組の見どころのほか、"自身過剰キャラ"でブレイクしたパーソナルについても迫ってみた。

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――番組では、ハリウッド・スターたちのファッションにも注目するそうですね

中野「そうなんです。過去の様子を振り返って、スターたちのファッションをチェックしていきます。賞も重要ですけど、フェスティバルでもあるから、ファッションの要素はすごく大事だと思います。みんなその日のためにオートクチュールのドレスを用意したり、半端じゃないお金をかけて、多くの人が自分をアピールするために集まっているわけだから、考えるだけで楽しい。アカデミー賞の見どころの一つだと思います。個人的にも『この人、今年は何を着てくるんだろう?』と気になりますし(笑)」

――中でも気になっている人はいますか?

中野「ペネロペ・クルスは、アイドルからここまできただけあって、貫禄に溢れてますよね」

――映画がお好きだと聞いていますが、普段はどういった作品をご覧になるんですか?

中野「『リボルバー』(2005年)と『クローサー』(2004年)。特に『クローサー』はカット割り、役者の演技が凄くうまくて好きですね。衝撃を受けたのは『ダークナイト』(2008年)のヒース・レジャー。あれは異常ですね。20代でたどり着いちゃいけない境地ですよ(笑)」

――最近の作品だといかがですか?

中野「最近は忙しすぎてあまり見られないんですけど、『アバター』(2009年)は刺激を受けましたね。まともに撮った初めての3D長編じゃないですか。3Dでやることに意義があるスクリプトを10年前からちゃんと考えていたらしいですし、芸術性や作品性、役者の芝居がどうこうじゃなくて、歴史に残る作品ですよね」

――もともとは役者志望だそうですが、"自信過剰"キャラでブレイクして今はバラエティー番組で引っ張りだこです

中野「正直、戸惑いはあります(笑)。外国での生活が長く、ここ10年間くらいテレビを見ていなかったので、日本のバラエティー的な笑いの感覚が一切なかったんです。それが、編集とかテロップのおかげで"自信過剰キャラ"なる新キャラが形成されて……」

――現状には不満がある?

中野「それはないですね。普通に生活して役者を目指していたら、こんなに凄まじいペースで、(明石家)さんまさんとかダウンタウンさんレベルの人に毎日会うなんていうことはないじゃないですか。だから、吸収できる分は吸収してやろうと思って。バラエティーの仕事も即興芝居みたいなものだし、キャラクターを演じつつ自分でいられるというのは、役者にも通ずるところもあるはずだから」

――今の経験を将来的に生かせると

中野「もともとは世界を放浪して絵を描いて詩を書いて死のうと思ってたんですよ(笑)。でもそれは自己満足じゃないですか。たまたま『仮面ライダーキバ』のオーディションに受かって、自分の中で何かが変わってきた。どうせ生きているんだし、ポップというか、アートをエンタメにおとすという形で、しっかりやっていきたいと思うようになったんです。最初は一般の人たちが何を考えて、何に惹かれているのか、何に盛り上がっているのか、僕はまったく理解できなかったんですけど、茶の間の感覚を知ることができたのはよかったですね」

――今後の目標は?

中野「役者としては、どこかおかしい役、ネジがずれている役をやってみたいです。精神異常者の役とか。ハードルが高いほうが燃えるんですよ。ただ、最終的には"ザ・役者"をやりたいとは思っていなくて、色々と表現活動していければなと。芝居をどんどん見てもらえるようになったら、日本を出たいんですよ。アカデミー賞のレッドカーペットに出席するのも、数ある目標の一つです(笑)。5年経って日本でしか仕事ができないようならこの仕事を辞めてるかも知れませんね。才能ないってことだろうから」

――最後に、この番組の見どころは?

中野「映画は、芸術の最高峰だと僕は思っていて、アカデミー賞はその芸術の最高峰である映画の世界一のお祭りなんです。そんなアカデミー賞のレッドカーペットに出てくるセレブのファッションや映画について話せるなんて、そうそうない機会なので楽しみにしてます。この番組を見て、今までの流れを予習してから今年のアカデミー賞を見ると、さらに面白くなると思います」

『第83回アカデミー賞ノミネート&ファッション』は、2月13日(日)(10:15~10:45 ほか)に放送。また、アカデミー賞が開催されるL.A.より、レッドカーペットの様子が生中継される番組『第83回 アカデミー賞レッドカーペット』も、2月28日(月)8:00より放送。番組の視聴方法はこちら