JR東日本は7日、常磐線向け新型特急電車「E657系」の概要を発表した。10両で16編成、合計160両を製造する。2012年春から順次投入し、同年秋までに上野駅 - いわき駅間のすべての特急列車を置き換える。

JR東日本「E657形電車」(イメージ)

新型車両「E657系」の車体はアルミニウム合金製で、制御方式はVVVFインバータ方式。営業最高速度は在来車(651系・E653系)と同じ時速130km。10両編成のうち、電動車は6両、付随車は4両となる。定員は600名で、グリーン車30名、普通車570名とのこと。

同車両は静粛性や乗り心地を向上した。先頭車とグリーン車にフルアクティブサスペンションを搭載したほか、全車両間に車体間ダンパを装備して揺れを押さえた。床も静粛性に優れた構造になるという。客室内は空気清浄機を設置し、空調装置からの風は座席ごとに風向きと風量を調整できるとのこと。また、普通車の座席間隔は960mmとなり、E653系(フレッシュひたち)より50mm拡大される。

E657系「普通車客室」(イメージ)

E657系「グリーン車客室」(イメージ)

ビジネス利用者への配慮として、WiMAXによるブロードバンド回線を整備し、車内でもインターネットに接続できる。WiMAX回線は当初は水戸駅まで。その後、地上通信設備を整えて利用区間を拡大するとのこと。各座席にはノートパソコンを置けるテーブルとコンセントを用意。車内案内装置はフルカラーLEDを採用し、停車駅・運行情報・ニュースを提供する予定。

防犯・安全面は大幅に強化され、各客室とトイレに乗務員と連絡するための非常通話装置を設置したほか、各客室出入り口に防犯カメラを設置す改良型ハンドル形電動車椅子の利用者も使える大型のトイレや多目的室を用意し、車椅子を固定可能な座席を設置するとのこと。

なお、同車両の投入に伴い、常磐線の特急列車は上野駅 - いわき駅間と、いわき駅 - 仙台駅の運行となる。上野駅 - いわき駅間は2012年春から新型特急と651系による運転となり、全列車にグリーン車が連結されることになるという。2012年秋までにすべてE657系に置き換わる予定。いわき駅 - 仙台駅間はE653系を使用し、新しい愛称で特急を新設する予定。いわき駅では同一ホームで乗り換えが可能になるとのこと。

(画像提供:東日本旅客鉄道)