はんぞ氏の講演の後、「FX自動売買で成功するためには」と題し、パネルディスカッションが行われた。パネリストは、はんぞ氏と、スカイネット代表取締役の冨山智広氏、現役東大生でリクイディティインターナショナル代表取締役の鈴木博達氏の3人、司会はトレイダーズフィナンシャル代表取締役社長の及川佳奈子氏が務めた。

「FX自動売買で成功するためには」と題し、パネルディスカッションが行われた

システムトレードって本当に儲かるの?

パネルディスカッションで及川氏は、3人のパネリストに対し、(1)システムトレードって本当に儲かるんですか、(2)システムトレードでの失敗談、(3)システムトレードで成功するためには、どんな訓練や努力が必要ですか、という3つの質問を問いかけた。

司会を務めた、トレイダーズフィナンシャル代表取締役社長の及川佳奈子氏

(1)の「システムトレードって本当に儲かるんですか」という質問に対し、はんぞ氏は、「FXでは裁量はやってなくて、(システムトレードでは)儲かっています。株は少しは持っていますけれど、塩漬けです」。冨山氏は、「チャンスはあるものだと思いますけれども、やり方一つで儲かるものもありますし、損失を被ることもあります。儲かるためには、努力が必要というか、単純に人から薦められてとかでやってしまうとひどい目に遭ってしまう。簡単には儲からない」と、意見を述べた。

スカイネット代表取締役の冨山智広氏

鈴木氏は、「システムトレードは僕の経験上も、論理的な判断ができるので、裁量トレードよりは儲かる可能性とチャンスは多い。ただ、万能ではないので、複数のEAを同時に動かしてリスクを分散して(資産を)守っていくのが大切かなと思います」と述べた。

(2)の「システムトレードでの失敗、ここは気をつけたほうがいいいという点は?」との質問に対し、鈴木氏は、「システムトレードを自分で開発した時にいろいろな失敗をした。代表的なのは、売りと買いを間違って設定して売買が逆になっていたり、決済のプログラミングがちゃんとできてなかったりとか、そういう初歩的なミスが多かった。フォワードテストをしっかりすれば、防げるものだったと思っている」と話し、「もちろん、お客さんに出す前はしっかりテストするので、自分のためにやった時のことです」と付け加えた。

現役東大生でリクイディティインターナショナル代表取締役の鈴木博達氏

冨山氏は、「失敗はありますね。僕的には、システムトレードで一番難しいのは、成績が右肩上がりになっている時は、そのシステムを信じてトレードできるんですけれども、負け始めた時はそのシステムのロジックを疑い始めてしまいます。その見極めが難しい」と話した。

はんぞ氏は、「私の場合、口座が主なもので12口座、全部で20口座ぐらい運用していて、なおかつその中でMeta Traderが50個ぐらい動いている。その中でさらにEAが100個以上動いているので、いくら時間があっても管理しきれない部分があります」と述べた。そうした状況の中、何もテストしないままいきなり(EAを)本運用みたいなことをしてしまい、そのEAは負けているのに、たまたま同じ口座で勝っているEAが補うような形になり、結局、いきなり使ったEAがエントリーして負け、0.3バーキンの損失を被ったことがあると明かし、「やはり事前のテストは絶対必要だな、というのは身にしみて感じています」と話した。

「分散投資」と「実戦での取引経験」が必要とアドバイス

三つ目の質問である「システムトレードで成功するためには、どんな訓練や努力が必要か」という点については、鈴木氏は、「テクニカルな事としては、分散投資がかなり大事」とし、「一つのEAに投資していると、そのEAが負け始めたとき、システムそのものを疑ってしまう。これで本当に大丈夫なのかと思いやめてしまった後、その後に儲かってくることもありますし、(分散投資すればそういうことはないので)そこは気をつけてほしいと思います」と述べた。

冨山氏は、「『すごく小さい資金でもいいから、(デモトレードではなく)実際にやってみては』とおすすめします。(デモトレードでは)自分の感情のぶれがどれぐらいあるのか分からないので、トレードがうまくなるためには、実戦をできるだけ早く行ってほしい」とすすめていた。

また、はんぞ氏は、「自動売買って聞くと、何もしなくても勝手に動いて勝手に稼いでもらえるというふうに考えがちなんですが、でもそうじゃないんです。とはいうものの、裁量トレードでテクニカルを極めるより、もっと簡単です。ハードルはそんなに低いわけではないですけれども、高くはありません」と述べ、「PCに張り付く必要はありませんから、定期的に1月1~2回は稼動確認しましょう、みたいな感じですね」とアドバイス。

さらに、「手をかけてやれば、自分のかわいいわが子のようなもので、私は全部(EAに)ニックネームを付けているんですけれども、そのくらい関わるようにすれば、ちゃんと後から返ってきます。それなりのお世話をしてあげなければいけないなと、日々感じています」と話していた。

"何事にも真摯に向き合う"A型が向いていない?

及川氏から、「血液型で、システムトレードが向いている人と向いていない人がいると聞きましたが」と問いかけられると、はんぞ氏は、「例えば、負け続けてきたら何でだろうというふうに真剣に考えたり、あちこちいじってみたりとか止めたりとか、そういう風に事実に対しての細かいアクションを起こし、その原因は何だろうと調べるような、何事にも真摯に向き合うA型タイプの人は向かないと思っています」と独自の見方を披露。

一方、「少々できの悪い子がおっても、こっちのできのいい子がカバーしてくれるとか、もちろん大きく負けたら駄目ですけれども、今は停滞期だけれども将来伸びる可能性があるとか、そんな感じで全体を大きな目で見てあげて、俯瞰的に見て全体ではプラスになっているんだから、少々気にせんでも、大きな負けがない限り動かして、この子もよく育つことがあるだろうと大きな気持ちを持っているO型が向いている」と述べた。

システムトレードには、「大きな気持ちを持っているO型が向いている」と述べたはんぞ氏

及川氏から「ちなみに、はんぞさんは何型?」と聞かれたはんぞ氏の血液型は、O型。鈴木氏もO型、冨山氏はB型だった。及川氏は、「A型の人も頑張って」と話し、パネルディスカッションはひとまず終了。その後はQ&Aコーナーとなり、会場から多くの質問があった。