東武鉄道と東武タワースカイツリーは28日、両社が主体となって建設を進めている東京スカイツリーの公式キャラクター「ソラカラちゃん」を発表した。今後東京スカイツリーの広告や関連イベントなどに登場する予定。

東京スカイツリーの公式キャラクター「ソラカラちゃん」

東京スカイツリーは2011年末竣工、2012年春開業を目指して工事が進められており、完成時の高さは634メートルとなる。地上デジタル放送の送信アンテナを取り付ける「ゲイン塔」と呼ばれる部分を除く、高さ497メートルまでの塔体本体が既に完成しており、27日より高さ450メートル付近で第2展望台の工事が始まっている。

高さ497メートルまで建設が進んだ東京スカイツリー

27日、既に出来上がった第1展望台(左下)に続いて第2展望台(画面中央、外側へ斜めに張り出した鉄骨部分)の工事に着手した

この日発表されたソラカラちゃんは、東京の街に見たこともないタワーが育っているのを見て宇宙にある「とんがり星」からやってきた好奇心旺盛な女の子で、東京スカイツリーから望遠鏡をのぞいて新たな発見をするのが大好きという設定。ソラカラちゃんが東京スカイツリーで出会った友達として、"ちょっとミーハーなお姉さん"のペンギン「テッペンペン」と、下町育ちのおじいさん犬「スコブルブル」もあわせて発表された。原作は、これまでQoo(日本コカ・コーラ)、ビオレママ(花王)、でこぼこフレンズ(NHK「おかあさんといっしょ」)、ぜんまいざむらい(NHK)など多数のキャラクターをデザインしてきた丸山もゝ子さん、鍬本良太郎さん(博報堂クリエイティブ・ヴォックス所属)。

雲を突き抜けて育つスカイツリーを見て「とんがり星」からやってきた女の子という設定

サブキャラクターは東京の最新情報を教えてくれる「テッペンペン」と、下町文化に詳しい「スコブルブル」

キャラクターの開発意図を紹介した東武タワースカイツリー取締役営業計画部長の吉野誠一氏は、キャラクターのねらいについて「日本一の高さの展望台からこれまで見たこともない眺め、先進的なタワーとともにその先の未来まで見渡す視点、下町の伝統と最新メディアが交流する場であることの発見など、人々の『新しい視点』をいきいきと伝えることが役割だと考えている」と説明。ソラカラちゃんの片足を上げたポーズは活発さと好奇心、手にする望遠鏡は東京スカイツリーとその周辺の魅力を発見する視点を表現しているという。

片足を上げてポーズを取る仕草は活発・好奇心旺盛な性格を、手に持つ望遠鏡はスカイツリーとその周辺の魅力を新しい視点から発見することをそれぞれ表現した

発表同日にオープンしたソラカラちゃんのWebサイトでは紹介ムービーなどを見ることができる。加えて、Amebaブログ内のオフィシャルブログとして「ソラカラ日記」が始まったほか、仮想空間を利用したコミュニティサービスのアメーバピグ内に「東京スカイツリー建設エリア」が登場し、ソラカラちゃんのオリジナルアイテムが配布される。

「アメーバピグ」内に東京スカイツリー建設エリアが登場

東武タワースカイツリー代表取締役社長の鈴木道明氏は「公式キャラクターについては約1年前から準備を進めてきた。世の中にはさまざまなキャラクターがあるが、どのようにしたら一過性ではなく長い間愛され、スカイツリーのコンセプトにマッチしたキャラになるのか、多方面から検討してきた。スタッフ一同頭を悩ませてきたが、皆様に披露するにふさわしい、魅力あるキャラクターをご紹介することができたと確信している」と話し、東京スカイツリーと共に親しまれる存在になるよう、今後の広報宣伝活動の中でソラカラちゃんを中心に据えていく考えを示した。

東武タワースカイツリー代表取締役社長の鈴木道明氏

2009年夏に地元押上・業平橋地区の商店会のキャラクターとして登場し、東京スカイツリー周辺の人気者となっている「おしなりくん」との関係については「同じ地区にいるので、それぞれの役割を互いにしてこの地域がより活性化するといいと思う。みなさんが盛り上がるような出会いを考えていきたい。関係については、とても仲の良いお友達が良いなと思っている」(吉野氏)との考えを披露。また、建設地近くにある「おしなりくんの家」では、報道陣の質問に答える形でおしなりくんが「早く一緒に展望台に上りたい」とコメント。東京スカイツリーと地元のPRで協働していく可能性に期待を持たせた。

今月彦根市で開催された「ゆるキャラまつりin彦根」にも出席した、地元の人気者「おしなりくん」。ソラカラちゃんの写真を見て「かわいい」ともコメント