『ブクログ』にはレビュー投稿やコミュニティ機能を用意されており、CDやDVDなども登録が可能だ

本棚の整理は時間がかかるものだ。片付けながらひょっこりと出てきた本に目を奪われることもしばしば。つい表紙をパラパラとめくる。数ページのはずが、ふと気がつくと読破していたり──。こうなると時間はあっという間に過ぎてしまう。さらに、活字好きにとって本は日に日に増えていくもの。我が国の住宅事情を考えると安易に本棚を増やすわけにもいかないのが悩ましいところだ。では、いっそのこと現実での整理を放棄して、ネット上で管理してみるのはいかがか。なに、それでは味気ない? 蔵書を眺める楽しみがなくなる? 大丈夫だ、問題ない。この『ブクログ』をご覧になっていただきたい。

コレクター心もしっかり刺激する『ブクログ』

ブクログは、自分が読んだ本や読みたい本などをウェブ上で登録・管理できるサービスだ。おすすめ度を設定したり、レビューを書き込むこともできるブックコミュニティでもあるのだが、その最大の特徴はインタフェースにある。

管理画面は実際の本棚をそのままウェブに落とし込んだかのようで、まさしく仮想本棚。登録した本はAmazon.co.jpとの連携により、ここに次々にビジュアルで並んでいくのだ。このため、現実同様にコレクター心が刺激され、本棚を埋める(登録する)作業が単純に面白い。また、登録作業が簡便なのもその楽しさを後押ししてくれる要素だろう。キーワードやISBNコードの入力だけでなく、ケータイのカメラでバーコードを読み取って投稿もできるなど、登録スタイルの間口は広い。

本棚を模した管理インタフェースの「表紙」モード。ほかに「背表紙」「リスト」「ブログ」といった表示モードがある

著者名などで検索して登録可能。ISBN入力では複数一括登録もできるほか、ドラッグ&ドロップで登録できるブックマークレット機能などもある

他人の本棚を拝見

また、実際の本棚っぽいだけに、他人が作ったものを覗き歩いてみるのも楽しい。本好きには「友達の家を訪れるとつい本棚をマジマジと眺めてしまう」という人はけっこう多いハズ。本棚は持ち主の顔。自分の好きな本が並んでいれば途端に親近感が沸くし、思いもよらぬ本に出会ったりすることだってある。それが、ブクログではバーチャルで体験できるというわけだ。

登録した作品はレビューやおすすめ度などが設定可能。登録されたデータを元にした関連本の表示機能なども用意している

ブクログのブログパーツ。ミニ本棚をブログやホームページなどに設置することができる

ただし、実際に使ってみた印象としては、蔵書のデータベース化や備忘録的な用途を主な利用目的としている人が多いのか、ユーザー同士の交流はそれほど盛んとは言えないかもしれない。その代わり、アイテム登録時にTwitterやmixi、Facebookなどに自動投稿する機能もあり、他社サービスとの連携はかなり充実している。また、この仮想本棚を小さくしたブログパーツなども用意されている。本を通じた交流を望むのなら、こちらも利用してみよう。