第67回ベネチア国際映画祭が1日(現地時間)にイタリア北部のベネチアで開幕し、村上春樹のベストセラー小説の映画化作品『ノルウェイの森』が2日、公式上映された。

レッドカーペットに登場した松山ケンイチ、トラン・アン・ユン監督、菊地凛子、水原希子 拡大画像を見る

上映された1016席の場内は、ほぼ満席となり、ベネチア入りした主演の松山ケンイチ、菊地凜子、水原希子、トラン・アン・ユン監督らがレッドカーペットに登場。スタンディングオベーションで出迎えられ、過去に金獅子賞を受賞したトラン監督が紹介されると、とくに大きな拍手が起こった。エンドロールでもスタンディングオベーションが起こり、そのまま数分間拍手が鳴りやまず、松山と監督ががっちりと握手する場面も。松山は「無事大成功と感じました。すごくうれしいし、これから海外でも配給されることを思うと、たくさんの方に見ていただけるだろうなと確信できました。ヨーロッパの人たちと一緒に見るのは初めてだったので、すごくいい経験をさせてもらいました」と感無量の様子。トラン監督は「観光ではなく賞を獲りに来ました。今回はキャストが素晴らしい仕事をしています。男優賞、女優賞など、演技に関する賞が取れたら、とても嬉しい」と自信を見せた。

観客たちの評判は良く、特に映像表現の評価が高かったという

上映後の様子。水原は「映画に見入ってしまい、自分のシーンでも泣いてしまいそうになりました(笑)」

『ノルウェイの森』は、1987年に出版された村上春樹の同名小説が原作で、『青いパパイヤの香り』(1993年)、『シクロ』(1995年)などのトラン・アン・ユン監督が映画化。上京し大学生活を送るワタナベ(松山)が、自殺した唯一の親友・キズキ(高良健吾)の恋人・直子(菊地)と、大学で出会った緑(水原)と関係を深める。3人の人間模様を通して、生と死、性、青春のもがきを描いていく。

映画『ノルウェイの森』12月11日より全国東宝系で公開。

(C) Kazuko Wakayama