スーパー、百貨店、コンビニエンスストアの7月の売上高が出そろった。後半の猛暑で冷製食品や機能性水着、扇風機など幅広い夏物商品の売り上げが好調で、コンビニエンスストアでは14カ月ぶりに前年の売り上げを上回った。

日本フランチャイズチェーン協会が発表した主要コンビニエンスストア10社の7月の売上高(既存店ベース)は、前年同月比0.5%増の6,701億円で、14カ月ぶりにプラスに転じた。来店客数(既存店ベース)は11億9,997万人。前年同月比2.3%増となり、2カ月連続で前年を上回った。商品別(全店ベース)では、菓子やソフトドリンクなどの「加工食品」が5.8%増、弁当やパンなどの「日配食品」が3.5%増、「非食品」は2.2%減だった。「サービス」は7.8%増。厳しい暑さで、アイスクリームや冷し麺、飲料などが好調だったという。

日本チェーンストア協会が発表した7月の売上高(店舗調整後)は前年同月比1.2%減の1兆503億円。スーパーも後半は夏物商品の売り上げが伸びたが、前半の天候不順による落ち込みをカバーすることはできず、20カ月連続の前年割れとなった。ただ減少幅は前月の5.3%から0.5%へと縮小。「食品」では、飲料や素麺、アイスクリーム、豚肉、国産鶏肉などが好調だったが、冷凍食品や練り製品などの動きが鈍く全体としては前年同月比0.5%の減少となった。そのほかでは高機能性肌着や水着、扇風機などが好調。猛暑は来店時間にも影響。「午前中の早い時間帯と夕方の遅い時間帯にお客様が集中した」とのことだ。

百貨店にも"猛暑特需"はあったようだ。7月の全国百貨店売上高は6,002億円で、前年同月比1.4%減。29カ月連続のマイナスとなるが6月の6.0%減から減少幅を大きく縮小している。減少率が1%台となるのは、2008年3月(1.2%減)以来28カ月ぶり。欧米の景気減退懸念で、宝飾品や輸入雑貨など一部高額商品の動きが鈍化したが、中旬以降の猛暑でファッションを中心とした盛夏商品が好調。中元商戦もほぼ前年並みにまで回復。特にネット受注が好調だった。

急伸している外国人観光客の売上高(調査対象は41店舗 / 免税手続きベース)をみると、7月は前年同月比152.5%。人気商品は1位「婦人服飾雑貨」、2位「婦人服」、3位「化粧品」、4位「ハイエンドブランド」、5位「子供服・雑貨」となっている。「7月からビザ発給用件が緩和されたためか、中国人観光客は団体客だけではなく個人客も目立っており、なかでもご自身で通訳を手配されて旅行をしている方もいた」という声もあった。