アジア株式は上海市場を除きほぼ全面安。円もほぼ全面高となり、リスク回避傾向となっている。日本225種は国内外の景況感の不透明性が高まる中、長引きそうな円高が嫌気され、主力輸出関連株を中心に下落。やや弱めだった一連の中国指標にも関わらず、底堅い値動を見せた上海株が、かろうじて日本株の下げ幅の大幅続落を回避させたか。

ドルは昨夜のFOMCを受けての急落から下げ幅を縮小するものの、円に対しては下落。ドル円は昨日の安値レベル(85円前半)まで値を下げた。そこで欧米勢の反応を見極めたいとの思惑から、オプションを含め様々なオーダーが交錯する85円調度を割り込まず85円前半でのもみ合いとなっている。一方、クロス円は続落。ユーロ円は111円調度に迫る勢い。リスクに敏感な豪ドルは、原油が時間外で再度80ドルを割り込んできたことや、対ドルで欧米系の金融機関が市場で売りを入れた影響もあり、77円を割り込む下落となっている。

18:30 (英)BOEインフレ報告 20:00 (米)MBA住宅ローン・借換え申請指数 21:00 (欧州)ノルウェー中銀金利発表 21:30 (米)6月貿易収支 21:45 (欧州)ノルウェー中銀記者会見 02:00 (米)財務省10年債入札 03:00 (米)7月財政収支

主な海外企業決算発表予定

Cisco Systems、ING GROEP NV、INTERIM NESTLE S.A.

欧州時間にかけて米国2年債利回りが一段の低下を見せ0.501%近辺と過去最低を更新。今朝から戻り調子だったドルインデックスも再度下落に転じている。きょうはアメリカで10年国債の入札が予定されている。市場が米金利の動向に敏感になっているだけに、入札結果に注目が集まると思われる。歴史的な低金利ながらも投資家からの旺盛な需要が確認され、一段の利回り下落傾向が確認されれば、ドル安が加速する可能性がある。前日のFOMC後の株式市場におけるリスク回避の傾向が強まれば、再度85円を下回る可能性が出てこよう。その場合には、昨年11月27日の安値84.80銭近辺で一度サポートされるかが注目される。ただ、投機筋の円ロングポジションが積み上がっていることから、短期ショート狙いの買い戻しも待ち構えている模様。

そして、今夜はイギリスのBOE四半期インフレ報告が発表される。 本日発表された失業率は横ばいだったが、失業保険申請件数が予想を下回る減少にとどまっていて、イギリスの雇用環境は引き続き厳しい状況。四半期インフレ報告でBOEが経済成長見通しを下方修正すると市場は予想しているが、はたして、どのような発表内容となるか。

ポンドはM&Aに絡んだ観測で対ユーロでも軟調に推移していることから、ポンド円の売り圧力はユーロ円よりも強い地合いになっている。BOE四半期報告時間には気を付けたい。

ポンド円 日足

欧州50種株価指数