東京金融取引所は24日、取引所為替証拠金取引「くりっく365」上場5周年を記念し、東京都で『くりっく365フェア』を開催した。くりっく365を取り扱う企業によるブース展示や講演会に加え、経済に詳しい女性3人がFXについて語る『マーケット☆ガールズトーク』も開かれて大いに盛り上がった。

24日開かれた『くりっく365フェア』

「くりっく365フェア」は、東京金融取引所が主催、日本経済新聞社デジタル営業局が後援。大阪会場では7月3日、東京会場では7月24日に開催された。

東京都の東京国際フォーラムで24日開催された同フェアでは、講演第一部の冒頭で、ヴァイオリニストの相知明日香さんがヴァイオリンを2曲演奏。優雅な雰囲気に包まれたところで、東京金融取引所 執行役員営業部長の中島雅之氏が、「くりっく365の魅力と今後の市場展望」と題して説明した。

中島氏は、くりっく365上場の経緯について、「1990年代に盛んになってきた外国為替証拠金取引(FX)にいろんな問題が生じた結果、金融先物取引法(金先法)で指導しようということになった」とした上で、急激に引き締めを行うだけではなく、新たな受け皿が必要になったことから、きちんとした商品を上場しようということになり、2005年7月にくりっく365を上場することになったと述べた。

上場後、最初こそ取引が少なかったものの、5年を経て24万口座を超えており、1日35万~40万枚の取引が行われる大きな市場となったと説明。くりっく365の強みについて、「取引所取引なので安全性が高い」「狭いスプレッドを安定的に提供する仕組み」「税金面での優遇」などを挙げ、「今後も情報提供に力を入れていきたい」と話した。

一方、展示会場では、くりっく365を取り扱う企業のブース展示や、投資・経済に精通した女性3人による『マーケット☆ガールズトーク』などが行われた。

ブース展示のうち、サイバーエージェントFXのブースでは、『Cymo』のiPhone版やWeb版のデモが行われていた。また、大和証券のブースでは、同社の「ダイワ365FX」がすでにiPadに対応していることを示すデモ展示などがあった。

サイバーエージェントFXのブースでは、『Cymo』のiPhone版やWeb版のデモが行われていた

「マーケット☆ガールズトーク」では、キャスター・リポーター・コーディネーターの佐中由紀氏、経済キャスター・ファイナンシャルプランナーの鈴木ともみ氏、FXタレントの池田ゆい氏が出演。司会進行役を務めた佐中氏は冒頭、「はやりの女子会のように進めさせていただきます」と宣言。佐中氏がFXと外貨預金の違いについて、「FXは24時間取引できる」「少ない資金でスタートできる」ことなどを挙げると、池田氏も「FXはレバレッジが最大の魅力」と応じた。

通貨ペアの話で、池田氏は「ユーロには痛い思いがある」と述べ、それまでは右肩上がりだったユーロが、2007年夏のサブプライム・ショックにより、一気に円高・ユーロ安になったことで損失を受けたことを話すと、鈴木氏も「コツコツと貯めるというわけにはいかないと思い知った」と、経済環境の変化による影響が大きいと指摘。池田氏は、「自分で損切りしていればと思う」とした上で、「今すきなのは豪ドル」と説明した。

『マーケット☆ガールズトーク』に出演した、左から鈴木ともみ氏、池田ゆい氏、佐中由紀氏

佐中氏も、2008年秋のリーマン・ショック後に各国政府がとった政策効果が薄れ始めた現在、「今となっては、厚着をしなければ」と各国の現在の景気を気候にたとえた上で、「先進国で唯一の例外がオーストラリア」とし、近日発表の経済指標が注目されるとした。

オーストラリアについて鈴木氏は、「輸出の大部分が鉄鉱石など資源で、その大きい輸出先が中国。中国経済が堅調でなければ、もうからない」と、中国の景気の先行き次第で、オーストラリア経済の今後に影響すると指摘した。

また、佐中氏に「どういう人がFXに向いている?」と問いかけられると、鈴木氏は、「自分の性格をよく知っている人が向いている」とし、「こうと思ったら突き進むことが大切」「切り替えも大事」と、アドバイスしていた。